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MS/MS及びTOFMSによる網羅分析手法の開発・評価及び東京湾底質コアへの適用(平成 23年度)
Development of comprehensive analysis using MS/MS and TOFMS, and implementation of their methods against sediment core in Tokyo bay

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1112CD008
開始/終了年度
2011~2011年
キーワード(日本語)
網羅分析手法,MS/MS,ケモインフォマティクス
キーワード(英語)
comprehensive analysis, MS/MS, chemoinformatics

研究概要

環境中には、自然・人工起源の微量化学物質が無数に存在し、ヒト健康や生態系に影響を与えていると考えられる。一方で現在の化学物質モニタリング手法の多くは、一部の標的物質を高選択的に測定・評価するもの(ターゲット分析)である。最近になり、高分解能の飛行時間型質量分析計(HR-TOFMS)の開発が進み、Scanモード測定による高感度ノンターゲット分析が可能となりつつある。この測定手法により得られる複雑かつ大量の化学物質情報を効率的に解析する手法を開発・適用することで、実環境における網羅的な化学物質監視が可能となる。本研究ではHR-TOFMSのScan測定及びタンデム型質量分析計(MS/MS)によるニュートラルロススキャン(NLS)を利用した網羅分析手法を発展させ、汚染物質の歴史トレンド情報を保存した東京湾底質コア試料に適用することで、新たな分析手法の有望性と応用可能性を示す。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:

全体計画

まず, MS/MSのNLSとHR-TOFMS(Scan測定)での測定による網羅分析手法の開発と比較評価を行なう。MS/MSのNLSについては簡便な網羅分析を目指し, 特定イオンのマススペクトル抽出をせずに全ての物質の結果が同時に表されるトータルイオンクロマトグラム(TIC)での解析手法を検討する。分離装置としてGC×GCのような多次元分離手法を用いることで分析干渉物質からの分離を主眼とする。HR-TOFMSついては, 精密質量によるフラグメントパターンの大量情報の効率的解析手法の開発を主眼とする。手法の比較評価においては, 既存の汚染物質を対象とし, 標準試薬や実環境試料を用いる。分析の定量性については, ダイオキシン・PCB含有濃度が既知である標準試料(底質)との定量値の比較で評価する。その他の物質について評価が必要な場合は, すでに定量能力が保証されている高分解能質量分析計(HRMS)との比較評価を行なう。この検討の後, 東京湾底質コア試料に2つの網羅分析手法を適用し, 情報既知化学物質の網羅的解析および既存情報で見落としていた化学物質情報の模索を行い, これら新規手法の性能比較と個々の有効性を提示する。

今年度の研究概要

GC×GC-MS/MSのNLSによる含塩素有機化合物の網羅分析に関して、標準試薬を用いて測定条件の最適化を行う。
現段階では、このNLSでの測定では種々の含塩素有機化合物の分離分析が可能となっているが、検出感度が低く実環境試料への適用には難がある。そこで、質量Scan範囲、フラグメントイオン生成のためのイオン化エネルギーや衝突エネルギーに関する最適条件の探索を行い、高感度でのNLSによる測定手法の開発を行う。続いて含臭素・含フッ素有機化合物についても条件の模索を行い、生物への毒性影響が高い化合物を多く含む含ハロゲン有機化合物についてNLSによる網羅分析手法を完成させる。またダイオキシン・PCB含有濃度が既知である標準試料(底質)に対して本開発手法を適用し、その定量性能の評価を行う。またNLSの定量性や未知物質の定性能力を確認しながら、ScanモードとNLSの測定モード切り替えによる並行分析手法の模索も行う。MS/MSの実環境サンプルへの適用のための最適化に続いて、HR-TOFMSでの測定についても底質サンプル分析に向けた最適化を行う。HR-TOFMSについては申請者の在籍する研究室においてフライアッシュ試料中の化学物質の網羅分析を行った実績があり、標的としたダイオキシン類に関して比較的高い定量性があることが示されている。本手法は、定量的な網羅分析が可能となる一方で大量データの効率的解析技術が必要となる。初年度はHR-TOFMSでの既存条件・既存試料での追試験による化学分析およびデータ解析方法の習得を行う。

関連する研究課題
  • 0 : 環境計測研究分野における研究課題

課題代表者

頭士 泰之