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外来アリのスーパーコロニーにおける遺伝的構造とコロニー間闘争の関係解明(平成 21年度)
Genetic structure and intraspecific aggression in the Argentine ant

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0909AF003
開始/終了年度
2009~2009年
キーワード(日本語)
アルゼンチンアリ,マイクロサテライト
キーワード(英語)
Argentine ant, microsatellite

研究概要

アルゼンチンアリは世界中に広く分布する侵入種である。原産地では小規模なSCしか形成しないのに対して、侵入地では少数の巨大SCを形成する。通常、アリはコロニー間闘争が激しいため、この巨大SC形成によりアルゼンチンアリは侵入種として成功しているとされているが、生物学的メカニズムは不明である。本研究はSC形成のメカニズムを探る一歩として、コロニー間の遺伝的構造と敵対行動の発達・抑制の関係を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

アルゼンチンアリではすでに10個以上のマイクロサテライト遺伝子座が報告されており、そのプライマーを用いて遺伝解析を行うと伴に、調査地におけるSC間の遺伝的隔離の過程の把握を行う。
(1) マイクロサテライト遺伝子座におけるアサイメント解析によるSC間の遺伝的構造
神戸に分布する4つのSCに属するアルゼンチンアリを採集する。文献情報からプライマーを設計し、現有のサーマルサイクラーを用いてPCR法によりマイクロサテライトの特定遺伝子領域の増幅を行う。増幅が認められたDNA断片は現有のオートシークエンサーにより解析し、アサイメント解析をSTRUCTURE 2.1を用いて行う。これによって、SC間の遺伝構造を明らかにする。
(2) 神戸における4つのSCの分布状況
SCの大きさやボーダーラインは季節や年によって変動することが知られている。そこで隣接するSC間におけるボーダーラインの季節変動を現地調査によって明らかにする。
(3)敵対性試験によるSC間闘争レベル
採集した異なるスSCに属する働きアリを用いたバイオアッセイによって闘争レベルを明らかにする。

今年度の研究概要

アルゼンチンアリではすでに10個以上のマイクロサテライト遺伝子座が報告されており、そのプライマーを用いて遺伝解析を行うと伴に、調査地におけるSC間の遺伝的隔離の過程の把握を行う。
(1) マイクロサテライト遺伝子座におけるアサイメント解析によるSC間の遺伝的構造
神戸に分布する4つのSCに属するアルゼンチンアリを採集する。文献情報からプライマーを設計し、現有のサーマルサイクラーを用いてPCR法によりマイクロサテライトの特定遺伝子領域の増幅を行う。増幅が認められたDNA断片は現有のオートシークエンサーにより解析し、アサイメント解析をSTRUCTURE 2.1を用いて行う。これによって、SC間の遺伝構造を明らかにする。
(2) 神戸における4つのSCの分布状況
SCの大きさやボーダーラインは季節や年によって変動することが知られている。そこで隣接するSC間におけるボーダーラインの季節変動を現地調査によって明らかにする。
(3)敵対性試験によるSC間闘争レベル
採集した異なるスSCに属する働きアリを用いたバイオアッセイによって闘争レベルを明らかにする。

備考

東京大学:砂村栄力 香川大学:伊藤文紀

関連する研究課題

課題代表者

井上 真紀