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乳幼児期の細菌刺激および化学物質曝露による成長後のTh1/Th2バランスへの影響(平成 21年度)
The effect of exposure to chemical substance with bacterial toxin on the development of Th1/Th2 balance in infant mice.

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0709CD283
開始/終了年度
2007~2009年
キーワード(日本語)
アレルギー,感染症,細菌,免疫学
キーワード(英語)
ALLERGY, INFECTIOUS DISEASE, BACTERIA, IMMUNOLOGY

研究概要

本研究では、乳幼児期におけるグラム陽性菌性の経気道感染や刺激(特にTLR2のリガンドである菌体細胞壁成分のPGNやリポテイコ酸(LTA)による刺激)が成長後のTh1型応答の発達やアレルギー抑制へと導くかどうかを明らかにするとともに、化学物質過敏症やシックハウスの原因物質の一つでもあるトルエン等による二次的な刺激がTh1/Th2バランスにどのような修飾作用を持つのかをアレルギーモデル動物を用いて解明することを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

初年度は、幼若マウスへのグラム陽性菌(菌体細胞壁成分)経気道刺激によるTh1型免疫応答の発達やアレルギー抑制への作用の有無について検討する。平成20年度および平成21年度においては、グラム陽性菌(菌体細胞壁成分および生菌)経気道刺激(又は感染)下での化学物質曝露がTh1/Th2バランスに及ぼす影響について検討する。

今年度の研究概要

?3週齢(離乳直後)のBALB/c系雄マウスに黄色ブドウ球菌(又は連鎖球菌)を7日おきに4週間点鼻投与(又は気管内投与)する。同期間中、同マウスにトルエン等の揮発性有機化合物を複数回腹腔内投与または吸入暴露する。同時にこれらのマウスにOVAを投与して、Th2側に偏向したマウスを作製する。マウス成長後(8, 12, 16週齢時)の肺でのTh1系サイトカイン(IL-12, IFN-γ)・Th2系サイトカイン(IL-4, IL-5)の産生量や遺伝子発現レベル、トール様受容体TLR2, TLR4の遺伝子発現レベル、血中の総IgE,IgG1抗体産生量などの変化を調べ、幼児期におけるグラム陽性菌経気道感染下での化学物質暴露がTh1/Th2バランスをどちら側に修飾するのかについて解析する。
?3週齢(離乳直後)のTLR2ノックアウトマウスにPGN, LTAや黄色ブドウ球菌を3日(又は7日)おきに2〜4週間点鼻投与(又は気管内投与)する。同時にこれらのマウスにOVAをアジュバントである水酸化アルミニウムゲルと共に2週間おきに3〜4回腹腔内投与し、Th2側に偏向したマウスを作製する。マウス成長後(8, 12, 16週齢時)の肺でのTh1系サイトカイン(IL-12, IFN-γ)・Th2系サイトカイン(IL-4, IL-5)の産生量や遺伝子発現レベル、トール様受容体TLR2, TLR4の遺伝子発現レベル、血中の総IgE,IgG1抗体産生量などのレベルをワイルドタイプのそれと比較し、Th1型応答の発達やアレルギーの抑制に対するTLR2の関与の有無を調べる。

備考

当課題は重点研究プログラム (3)-2 にも関連

課題代表者

山元 昭二

担当者

  • 藤巻 秀和