- 予算区分
- BD 環境-環境技術
- 研究課題コード
- 0809BD004
- 開始/終了年度
- 2008~2009年
- キーワード(日本語)
- 微小粒子状物質,循環器疾患,疫学研究
- キーワード(英語)
- fine particles, cardiovascular diseases, epidemiological study
研究概要
微小粒子状物質が循環器疾患に及ぼす影響は近年国際的に注目され、欧米を中心として短期影響や長期影響に関する疫学研究報告がされており、重要な疫学知見として国際的に評価されている。我が国においては大気汚染物質の循環器疾患への影響に関する疫学知見はほとんどない。そこで、既存の循環器疾患コホート調査データならびに特定地域での循環器疾患発症・死亡データと新たに構築する大気汚染物質曝露データベースを結合して、疫学的な解析を行うことにより、日本における循環器疾患の発症に関する短期および長期曝露による影響を明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:行政支援調査・研究
全体計画
3つのサブテーマを実施する。以下のBおよびCについては共同研究により行う。
A.疫学研究のための大気汚染物質曝露データベースの構築
過去に遡って各コホートの地域単位に合わせた面的な代表値の推計を行い、全国規模のコホート調査データと結合するための年平均濃度データベースを構築する。また、短期影響に関する解析を行うために、対象地域の各種大気汚染物質の日単位濃度の算出を行う。
B.地域コホートにおける循環器疾患発症・死亡に関する疫学研究
NIPPON DATA80および90と呼ばれている全国規模のコホート調査データを用いて、粒子状物質等の大気汚染物質への長期曝露と循環器疾患死亡との関連性について、各種のリスクファクターを調整した解析を行う。また、特定地域で継続実施されている循環器疾患発症モニタリングデータに基づき大気汚染物質への短期曝露との関連性について検討する。
C.女性コホートにおける循環器疾患発症に関する疫学研究
日本ナースヘルス研究のコホートの循環器疾患発症イベントについて、その発生日時等に関する遡及的調査を実施して、循環器疾患発症と大気汚染との関連性に関する統計解析を行う。さらに、発症率と大気汚染物質への長期的曝露との関連性解析のための予備的検討を行う。
今年度の研究概要
コホート調査対象地域のおける大気汚染常時監視局データの収集、整理を行うとともに、コホート対象者の居住地と常時監視局の地理的関係に関する解析を行う。日本ナースヘルスコホート調査については心疾患よび脳血管疾患の発生状況等に関する質問票調査を行って、データを収集する。
備考
滋賀医科大学・上島弘嗣
群馬大学・林邦彦
- 関連する研究課題
- 0 : 領域プロジェクト
課題代表者
新田 裕史
担当者
-
上田 佳代