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ダイオキシン類の心臓血管系疾患および糖尿病関連遺伝子に対する影響とそのメカニズムの解析(平成 20年度)
Studies on pathogenic mechanism of dioxin-like substances on gene expression responsible for toxicity in cardiovascular system and development of diabetes

予算区分
AE 経常
研究課題コード
0608AE508
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
ダイオキシン,心臓血管系疾患,糖尿病
キーワード(英語)
DIOXIN, CARDIOVASCULARSYSTEM, DIABETES

研究概要

これまでに、経母乳ダイオキシン類曝露した新生仔ラット、マウスで水腎症を発症し、腎臓のナトリウムイオンチャネル関連遺伝子に変動をきたすことを明らかにしてきた。
心臓血管系疾患や血統維持に重要なホルモンであるインシュリンの分泌機構にも種々のイオンチャネルが関連しているが、このようなイオンチャネル関連遺伝子に対するダイオキシン類の影響は殆ど報告されていない。本研究はダイオキシン類の心臓血管系疾患および糖尿病関連遺伝子に対する影響を解析し、そのメカニズムを明らかにすることにある。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

出産後1日目のマウスの母獣にダイオキシン類を投与し、日齢の異なる新生仔マウスから心臓、大動脈、肝臓、腎臓、すい臓、血液、尿を採取し、イオンチャネル関連遺伝子を主とする心臓血管系やインシュリンの分泌機構に関与する遺伝子発現の変動を解析する。同時に各種臓器の病理組織学的観察を行う。ダイオキシン曝露による発現遺伝子の変動と病態および生理作用への影響の関連性を明らかにする。

今年度の研究概要

粥状動脈硬化症は活性化された動脈の内皮細胞、単球・リンパ球・マクロファージなどの炎症性細胞、それらが産生する炎症性サイトカインの相互作用により発症・進展すると考えられている。一方、ダイオキシン(TCDD)は多くの器官や細胞で慢性的炎症をもたらすことが知られている。そこでダイオキシンと粥状動脈硬化症との関連性を明らかにするためにTCDDを曝露した8週齢C57BL/6J雄マウスの大動脈を用いてダイオキシンと炎症性サイトカイン誘導との関連性を遺伝子レベルで解析する。すなわち、TCDD曝露したマウスのTNFα、COX-2,IL-8,IL-1β、IL-12,NFkB, MCP-1,p-selectinなどの炎症に関連する遺伝子の発現を解析し、ダイオキシン類の血管系疾患に対する影響を調べる。

課題代表者

西村 典子