- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0506AF470
- 開始/終了年度
- 2005~2006年
- キーワード(日本語)
- 生態系
- キーワード(英語)
- ecosystem
研究概要
河川生態系の規模・構造に河道中の堰堤が与える影響を高次消費者生物個体群の食物連鎖上位置と遺伝的分化の両面から調査する。また、食物連鎖解析と遺伝子解析を同時に適用する手法が生態系変化を包括的に評価する上で有効であることを実証して、本手法を生態系モニタリングツール一般として普及するための基礎を固める。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
生態系の食物連鎖構造が発達すれば、高次消費者個体群の生物個体の窒素安定同位体比が高くなることと、規模の大きい生態系が成立すれば、その中に含まれる個体群間で遺伝的分化度が低くなることがわかっている。そこで、本研究では、1)河川生態系の高次消費者として河川魚類のオイカワ・ウグイを採集する、2) これら魚種について窒素・炭素安定同位体比分析と各種個体群間遺伝的分化度測定を行なう、3) 堰堤の存在する河川としない河川との間で、上記魚類の同位体比・遺伝的分化度を比較する、ことによって、河川生態系の規模・構造にの堰堤のような河道構築物が与える影響を評価する。
今年度の研究概要
関東平野の鬼怒川と那珂川において、魚類とその餌生物を採集した。それぞれの生物について窒素・炭素安定同位体比分析を実施した結果、河川の流程に応じて同位体比が規則的な変化を示すことがわかった。これらの変化が堰堤の存在によって影響を受けているかどうかをさらに分析する。