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侵入種生態リスクの評価手法と対策に関する研究(平成 16年度)
The study for ecological risk assessment and management of the invasive alien species

予算区分
BA 環境-地球推進 F-3
研究課題コード
0406BA421
開始/終了年度
2004~2006年
キーワード(日本語)
侵略的外来生物,生態リスク,防除,寄生生物
キーワード(英語)
INVASIVE ALIEN SPECIES,ECOLOGICAL RISK,MANAGEMENT,PARASITE

研究概要

1)2004年制定予定の「(特定)外来種対策法」に対応すべく、侵入生物種のリスク評価手法の開発・検討を行う
2)侵入生物の最も深刻な生態リスクである「寄生生物等の随伴侵入」という問題を重点的に調査研究し、その対策を検討する。
3)侵入種から在来生態系を守る必要性が高い「重要管理地域」の一つである沖縄地方の侵入種問題に対して、侵入種駆除および防止のためのシステム構築を検討し、迅速な対応を目指すとともに、侵入種対策の具体的方針をうち立てる。

全体計画

・当年度:重要侵入種の選定を行い生態的データの情報収集・分析を行い、各種の分布域情報を収集して地図情報化する。また、輸入爬虫類および輸入昆虫類の寄生生物のサンプル抽出を行い、輸入品目ごとに寄生生物リストを作成する。沖縄におけるマングース・アライグマ・ノネコの過去から現在に至る捕獲データから分布域に関する情報を収集する。沖縄・奄美地区で販売されている生物資材の種をリストアップする。
・次年度:重要侵入種の導入・持ち込み量および人為的移送経路の情報収集を行い、地図情報化し、侵入種の分布拡大要因を抽出するとともに、侵入種分布域における生物多様性評価を行う。寄生生物リストに基づき各種寄生生物の分布域、寄主範囲、生活史特性などの生態学的特性に関するデータの収集を行う。沖縄・奄美全域における地図情報から植生・土地利用の変遷を分析する。導入生物資材のリストに基づき各種の原産地データや流通ルートを調査するとともに住民の侵入種に対する意識アンケート調査を行う。
・次々年度:生態的データと分布域地図情報を統合して、侵入種の分布拡大モデルを構築する。寄生生物も含めた侵入種の生態影響機構を解明してモデル化を行う。得られた分布拡大・生態系影響モデルに基づき、生態リスク評価に必要な生態パラメータのリストアップを行う。沖縄・奄美地方における侵入種防除を進めるための社会的システムの構築を検討し、教育・啓蒙のモデル活動も展開する。開発された生態リスク評価手法と沖縄・奄美で展開した防除システムモデルを統合し、侵入種防除対策の具体的指針を示す。

今年度の研究概要

重要侵入種の選定を行い生態的データの情報収集・分析を行う。各種の分布域情報を収集し、重要侵入種分布域を抽出する。それらの分布域における動物・植物相および土地利用に関する情報を収集し、地図情報化する。獣医・販売業者などのネットワークを通じて輸入爬虫類および輸入昆虫類に寄生している昆虫類、ダニ類、微生物のサンプル抽出を行う。得られたサンプルより輸入品目ごとに寄生生物リストを作成する。同時にそれらの寄生生物のDNA抽出を行う。沖縄におけるマングースの過去から現在に至る捕獲データから分布域に関する情報を収集する。マングースの糞分析より餌生物の種類を分析し、餌資源の推移を把握する。アライグマ・ノネコの捕獲状況から分布域・個体群密度推定を行う。沖縄・奄美地区で販売されている生物資材の種をリストアップする。

備考

環境省(やんばる野生生物保護センター),農林水産省((独)森林総合研究所)及び大学(東京大学,北海道大学,東北大学,琉球大学,愛知学泉大学,麻布大学),NPO団体(WWFジャパン)と課題を分担し研究を進める。

課題代表者

五箇 公一

  • 生物多様性領域
    生態リスク評価・対策研究室
  • 室長(研究)
  • 農学博士
  • 生物学,農学,化学
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