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RNAi法を利用したダイオキシンによる免疫抑制に関わる原因遺伝子の同定(平成 16年度)
Identification of causal genes responsible for dioxin-induced immunosuppression using RNAi

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0404AF360
開始/終了年度
2004~2004年
キーワード(日本語)
RNAi,毒性経路特定,原因遺伝子同定,免疫細胞
キーワード(英語)
RNAI,IDENTIFICATION OF TOXIC PATHWAY,IDENTIFICATION OF CAUSAL GENE,IMMUNE CELLS

研究概要

環境汚染物質による生体影響の毒性発現メカニズムの解明は、健康リスク評価により我々の安全も守る上で重要な基礎研究である。そのため、多種多様な汚染物質による毒性のメカニズムを迅速および簡便に探索し、尚且つ、証明することができるアッセイ系が必要とされている。そこで、最近、遺伝子技術として着目されているRNA interference(RNAi)法を利用して、毒性の主要反応経路や原因遺伝子を探索および証明する系の確立を行う。RNAi法は、遺伝子の一部と相補的配列な短い二重鎖RNAを細胞に導入することにより、その遺伝子のメッセンジャーRNAが分解されて発現を抑制することが出来る手法である。このRNAi技術を用い、毒性に関わる主要な生体反応経路に関わる遺伝子群を欠損させた細胞のライブラリを作成し、次の段階としてこのライブラリを用いて毒性発現経路が明らかにする検討を行う。

全体計画

本実験系は、まず、免疫系細胞について、アポトーシス、細胞増殖、分化などの免疫機能に関わる反応経路の遺伝子群をRNAi法で欠損させた細胞のライブラリの作成を行う。免疫系細胞としては、Tリンパ球、Bリンパ球を用いる。これらの細胞で各遺伝子を欠損させた後、遺伝子発現が実際に抑制されていることをRT-PCR法で確認を行う。また、量-反応の相関関係を調べるため、各遺伝子の欠損については、欠損の程度を変えた幾つかの株を作成する。遺伝子欠損細胞のライブラリが作成されたら、このライブラリを毒性反応経路の特定や原因遺伝子同定のアッセイ系に応用するため、まずTリンパ球やBリンパ球に影響を与えることが知られているダイオキシンを細胞に曝露し、増殖や抗体産生などを毒性の指標として毒性反応経路や原因遺伝子が特定できるか検討を行う。また、将来的には欠損遺伝子数を増やし、より網羅的でハイスループットなメカニズム解析用のアッセイ系を目指す。

今年度の研究概要

本研究でははじめに各種遺伝子の発現を抑制させた遺伝子欠損細胞ライブラリの作成を行い、次にこれを用いてダイオキシンによる免疫抑制に関与する反応経路の特定を行う。まず、免疫機能に繋がるアポトーシス、細胞増殖、分化に関わる様々なシグナル伝達経路図を作成し、この中から、後に毒性経路が特定しやすいように欠損させる遺伝子を選出する。次に、これらの遺伝子に対してRNAiを行うためのsiRNAを合成し、Tリンパ球やBリンパ球系の株化細胞に導入して特定の遺伝子を欠損させたライブラリを作成する。特定の遺伝子が欠損されていることをRT-PCRにより確認した後、細胞にダイオキシンを曝露し、毒性が軽減される細胞で欠損している遺伝子から毒性経路の特定を行う。

課題代表者

伊藤 智彦

  • 環境リスク・健康研究センター
    生体影響評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士 (環境科学)
  • 薬学,生化学
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