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数理モデルと生物試験を併用したダイオキシンのヒト健康リスク評価(平成 16年度)
Risk analysis of dioxin using mathematical and biological model.

予算区分
AE 経常
研究課題コード
0404AE364
開始/終了年度
2004~2004年
キーワード(日本語)
ダイオキシン,数理モデル,リスク評価
キーワード(英語)
DIOXIN,MATHEMATICAL MODEL,RISK ANALYSIS

研究概要

ダイオキシンの人への健康影響の定量的評価のため,毒性に至る投与量を動物から人へと定量的に種間外挿する方法論の構築を目的とする。ダイオキシンの動物試験データは数多く蓄積されているが,現状ではこれらデータは必ずしも人のリスク評価に有効活用されていない。動物実験で得られた用量-作用関係データを人の場合に適用できれば,化学物質のリスク評価を数値データとして提示でき,その結果,将来は動物実験データが環境政策とその効果の分析にも利用可能になるなど,実験データの付加価値が高まる。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

種間外挿に必要な数理モデルとしては生理学的薬物動態モデル(PBPKモデル)を用いることとし,人およびラットでのモデル構築のためのパラメータ取得実験を行う。また構築したモデルを用いて経口投与・腹腔投与した物質が体内各臓器へどのように配分するか,その時間的推移をシミュレートする。過去の動物実験とシミュレーション結果を元に,標的組織での毒性の用量-作用関係を解析し,これを人の組織濃度から投与量へと逆算することで,人のリスク評価を行う。

今年度の研究概要

今年度は日本人での毒性寄与が大きい同族体(2378-TCDD, 12378PeCDD, 23478PeCDF, PCB126)に関してラットのPBPKモデル構築に重点を置く。特に毒性影響として発がんプロモーター作用に着目し,肝臓の前がん段階の病変の定量的解析を行う。発がん物質の存在下でラットに4種のダイオキシンを投与し,これらが肝臓の病変拡大に及ぼす強度を比較検討する。これによって,現行のダイオキシン毒性換算係数(TEF)がどの程度妥当かを検討する。また,肝臓系の培養細胞を用いて前述の4種類のダイオキシンの活性を比較し,組織レベルと細胞レベルでどの程度活性に違いが出るかを検討すると共に,細胞・組織・個体の各レベルでのダイオキシンの用量-作用関係を把握し,正確な種間外挿を行うための換算係数を算出する。

課題代表者

丸山 若重

担当者

  • 青木 康展