- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0305CD554
- 開始/終了年度
- 2003~2005年
- キーワード(日本語)
- 都市気候,都市計画,熱環境,大気汚染,風の道
- キーワード(英語)
- URBAN CLIMATE,URBAN PLANNING,THERMAL ENVIRONMENT,AIR POLLUTION,VENTILATION PATH
研究概要
長野県長野市では夜間に山風が出現し、それが都市の中心部に吹き込んでいる。山風が出現する気象条件では都市ヒートアイランドも出現する可能性が十分あり、この山風により都市ヒートアイランドが緩和されることが期待できる。本研究では、山風の実態とそれが都市ヒートアイランドに及ぼす影響について気象観測及び数値シミュレーションにより明らかにし、山風の都市ヒートアイランド緩和に及ぼす効果、すなわち日本版「風の道」になりうるかどうか、についての検討を行なう。
全体計画
長野県長野市を研究対象地として、気象観測により山風出現日における都市内の気温と風の水平分布及び山風の鉛直分布を明らかにし、都市内における山風の影響範囲や山風自身の構造をまず解明する。そして、これらのデータをもとにした山風再現の数値シミュレーションを実施し、その結果を観測データと照らし合わせてモデルを確立し、このモデルにより山風の都市ヒートアイランド緩和効果について検証をおこなう。そしてこれらの観測と数値シミュレーションにより得られた山風の効果をもとに、実際に長野市の大気汚染や暑熱の緩和に有益と考えられる事例を抽出し、それらを生かすための都市整備計画を実際に提示する。
今年度の研究概要
長野県長野市を研究対象地として、気象観測により山風出現日における都市内の気温と風の水平分布及び山風の鉛直分布を明らかにし、都市内における山風の影響範囲や山風自身の構造をまず解明する。とりわけ、これまで明らかとなっていない山風による「風の道」の範囲とその特性を屋上面レベルでの風向風速及び気温分布の観測から把握する。また、そのヒートアイランドへの影響の解析的評価を行う。さらに、ドイツで開発された冷気流再現用数値モデルであるKLMODELL及び現有のメソスケール気候モデルを長野市周辺地域に適用し、裾花川上流の山地斜面で形成された冷気がどのように市街地へ到達するかを検討する。
備考
研究代表者:一ノ瀬俊明
共同研究機関:長野県自然保護研究所
共同研究者:浜田崇(長野県自然保護研究所)
課題代表者
一ノ瀬 俊明
- 社会環境システム研究センター
地域環境影響評価研究室 - 主任研究員
- 博士 (工学) (東京大学)(都市工学専攻論文博士)
- 土木工学,地理学