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ホーム > 刊行物 > 国立環境研究所ニュース > 9巻 > 5号 (1990年12月発行) > ニトロアレーンの変異原性メカニズム

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研究ノート
ニトロアレーンの変異原性メカニズム
佐野  友春

近年、環境変異原に関する研究が盛んに行われており、当研究室でもそれらの変異原性や毒性について研究を行っている。変異原性を調べる方法としてエームズテストがよく用いられているが、実際に突然変異を起こすときに、DNAにどのような修飾が起きて、それがどのように突然変異に結び付いているのかと言うメカニズムが明らかとなっている化合物はごく少数である。

現在、私が標的としているニトロアレーン類は環境中に広く存在しており、変異原性を示す化合物が多数知られている。バクテリアを用いるエームズテストでは、ニトロ基がバクテリアの持つニトロ還元酵素で還元されることにより活性化され、DNAと付加物を生成して変異原性を示すことが明らかにされている。一方、ほ乳類はこの酵素を持っていないので、ニトロアレーンは別の代謝活性化メカニズム、主に酸化的な代謝により活性化されDNAに付加すると考えられている。しかし、そのような代謝活性化体やDNAとの付加物については、多数生成することが知られているにもかかわらず、生成量が極微量なため、その構造はほとんど明らかになっていない。これら変異原物質が、DNAとどのような付加物を形成し、その付加物がどのようなメカニズムで突然変異を起こすかを調べることは、構造活性相関を求める際に重要な知見を与えてくれるものと考えている。

現在、予想され得るニトロアレーンとDNAとの付加物を有機化学的手法を用いて合成している最中であり、目標とした付加物の約半数ができつつある。今後、実際の付加物と照合することでそれらの構造を決定し、さらに、それらの付加物のDNA中での挙動・存在状態や、付加物を含むDNAが複製されるときにどのような間違いを起こすかなどを解析していきたいと考えている。

(さの  ともはる、 化学環境部化学毒性研究室)


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