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国立環境研究所年報 平成4年度(A−18−'93)(平成5年8月発行)

 平成4年度の研究活動,研究成果の発表状況,3センター(環境情報センター,地球環境研究センター,環境研修センター)の業務,研究施設の利用状況等,国立環境研究所の1年間の活動状況をまとめたものである。研究活動では,社会的な要請の大きい課題として,特別研究12課題及び地球環境研究総合推進費(環境庁)による研究14課題が実施された。環境にかかわる各分野における基礎的研究として経常研究136課題が行われ,地方公害研究所との共同研究46課題が実施された。このほか環境保全総合調査研究促進調整費(環境庁)による研究2課題,国立機関原子力試験研究費,科学技術振興調整費,海洋開発及び地球科学技術調査研究促進費(科技庁)による研究26課題が実施された。研究成果については,国環研出版物(特別研究報告10〜13号,研究報告130号,資料42〜49号,地球環境研究センター報告10件),学協会誌等への誌上発表及び学会等での口頭発表の一覧が掲載されている。

(編集小委員会委員長 高松武次郎)

国立環境研究所特別研究年報 平成4年度(AR-6-'93)(平成5年8月発行)

 特別研究は地域環境研究グループの下で、問題解決を目指して集中的に実施するプロジェクト研究であり、この年報は平成4年度に行われた特別研究成果をまとめたものである。本年度は12テーマが実施されたが、以下の「粒子状物質を主体とした大気汚染物質の生体影響評価に関する実験的研究」,「水環境における化学物質の長期暴露による相乗的生態系影響に関する研究」,「トリクロロエチレン等の地下水汚染の防止に関する研究」,「有害廃棄物のモニタリングに関する研究」,「有用微生物を活用した小規模排水処理技術の開発と高度化に関する研究」,「都市域における冬期を中心とした高濃度大気汚染の予測と制御に関する研究」,「閉鎖性海域における水界生態系機構の解明および保全に関する研究」,「環境保全のためのバイオテクノロジーの活用とその環境影響評価に関する研究」,「湿原の環境変化に伴う生物群集の変遷と生態系の安定化維持機構に関する研究」は継続課題である。また次に3つ「環境中の有機塩素系化合物の暴露量評価と複合健康影響に関する研究」,「湖沼環境指標の開発と新たな湖沼環境問題の解明に関する研究」,「都市型環境騒音・大気汚染による環境ストレスと健康影響に関する環境保健研究」は本年度より新たに開始したものである。個々のテーマごとの詳細報告とは別に,その要点を分かりやすくまとめた本報告書を特別研究の全容を理解するため広く活用して頂けると幸いである。

(地域環境研究グループ統括研究官 内藤正明)

国立環境研究所地球環境研究年報 平成4年度(AG-3-'93)(平成5年8月発行)

 国立環境研究所では、地球環境研究グループを中心に地球環境研究総合推進費によるプロジェクト研究を平成2年度より遂行しているが、本報告書は平成4年度の研究成果を取りまとめたものである。本プロジェクトは「オゾン層の破壊」、「地球の温暖化現象解明」、「地球の温暖化影響対策」、「酸性雨」、「海洋汚染」、「熱帯林の減少」、「野生生物種の減少」、「その他の地球環境問題」、「総合化研究」、「課題検討調査研究」の各分野・カテゴリーに分けられ、それぞれにいくつかの課題がたてられ研究が進められている。本報告書では各分野ごとにそれぞれの課題について研究の成果を図表を交えて紹介している。

(地球環境研究グループ統括研究官 安野正之)

国立環境研究所研究報告(R-131-'93)
「アスベストの新分析法に関する研究」(平成5年9月発行)

 本報告書には、アスベストの選択的検出を目指した、二次イオン質量分析法(第I章)と蛍光色素吸着法(第II章)によるアスベストの新分析法に関する研究成果がまとめられている。二次イオン質量分析法では、フィルター上に捕集されたアスベスト繊維を選択的に直接検出できることが報告されている。蛍光色素吸着法では、蛍光色素を吸着させたアスベストの蛍光顕微鏡観察により、選択的に明るく見やすいアスベスト繊維像が得られることが述べられている。本研究では、従来から行われている電子顕微鏡分析のための新しい試料前処理法の開発も試みられ(第III章)、従来の方法より短時間で作成でき、観察もしやすい電子顕微鏡用試料作成法が示されている。また、分析電子顕微鏡を用いたアスベスト繊維の化学組成分析について検討し(第IV章)、定量分析において問題となるX線の吸収効果は、アスベスト繊維のサイズと元素組成に依存することが報告されている。

(化学環境部 瀬山春彦)