個別分野 様々な環境研究
黄砂に関する日中共同研究
黄砂は中国やモンゴルの砂漠乾燥地帯で発生した砂塵が、中国沿岸部や韓国、日本に風送される現象です。黄砂発生源地の絞り込み、大気中での3次元的動態解明とそのモデルの確立、黄砂発生量の変動に伴う環境影響の解明などを目的として、日中共同研究プロジェクトが平成13年度にスタートしました。突然発生し広範囲に風送される黄砂を捉えるために、ネットワ−ク観測が重要です。国立環境研究所では、ライダー観測システム(観測点上空に存在する大気中の粒子状物質の連続観測が可能)を中心とする多点モニタリング観測を行い、黄砂の飛来高度、飛来ルート別輸送量などを調べています。その他、酸性ガスの吸着現象の解明など環境化学的分野からの研究も行っています。
日中友好環境保全センター(中国、北京)に設置したライダー観測システム(国立環境研究所使用のライダー)
2002年3月20日、大黄砂現象時の天安門(上部写真は、平常時の天安門)。
ライダー観測網による黄砂の3次元的動態観測例
北京の赤色の部分(上図、20日午後)が砂塵暴(大黄砂)状態を示し、その1〜2日後に、風下にある長崎(中図、21日午後の赤色部分)、つくば(下図、22日昼の赤色部分)で観測した。
北京の赤色の部分(上図、20日午後)が砂塵暴(大黄砂)状態を示し、その1〜2日後に、風下にある長崎(中図、21日午後の赤色部分)、つくば(下図、22日昼の赤色部分)で観測した。
大気中の自然起源ハロゲン化合物の観測
塩素や臭素を含むハロゲン化合物は成層圏オゾンを破壊するなど地球環境に大きな影響を与えています。その中には臭化メチルやクロロホルムのように人間活動と自然界の両方から放出されるもの、塩化メチルやヨウ化メチルのように、ほとんどが自然起源のものが含まれています。この自然発生分がどこから来ているのか、実はほとんど分かっていません。研究所では、自然起源の寄与も含め、ハロゲン化合物の発生源解明に向け、グローバル〜ローカルスケールの観測を実施しています。
北極域における大気中臭化メチル
臭化メチルは、殺虫剤など人為的な使用の禁止を受けて、年々減少してきましたが、当初の6割分が自然寄与分として残ると予想されています。
臭化メチルは、殺虫剤など人為的な使用の禁止を受けて、年々減少してきましたが、当初の6割分が自然寄与分として残ると予想されています。