個別分野 様々な環境研究
研究概要(パンフレットから)
国立環境研究所では、研究者の自由な発想のもと、ユニークな環境研究が数多く行われています。例えば、最古の湖をフィールドとし、3千万年前から現在に至る地球環境の変動を探る研究や、樹木の中に取り込まれた樹皮を利用して現在までの大気汚染の変化を検証する研究、さらには、海を渡る黄砂を日本と中国で同時に測定し、それが環境に与える影響を解明する研究が行われています。21世紀の環境問題は、時間的にも空間的にも視野を広げていく必要があります。独創的かつ多角的に地球環境をとらえることにより、複雑化する環境問題の解明にこれからも挑んでいきます。
バイカル湖ドリリングプロジェクト
バイカル湖は世界最古の湖であり、3千万年の歴史を有しています。同時に世界で最も激しく気候が変動し、生物種の固有率が非常に高いなどの特徴があります。当研究所ではバイカル湖の湖底泥柱状試料を用いて古環境変動の再現を行っています。過去1千万年余の気候変動は概して寒冷化で、氷床形成後の温暖性樹種の消滅やケイ藻の進化頻度増大、種の寿命縮小など、環境変動が生物相に与える影響が明らかになってきました。
結氷で固定したバイカル湖最大の掘削システム
水深1000mの所で1000mの柱状試料を採取できます。
水深1000mの所で1000mの柱状試料を採取できます。
不法投棄廃棄物の監視
廃棄物の不法投棄による重篤な環境汚染と現状回復のために莫大なコストがかかっています。本研究では、不法投棄の未然防止と早期発見を目的として、人工衛星を用いたリモートセンシングによる監視技術の開発に取り組み、「不法投棄衛星監視システム」として実用化に成功しました。
不法投棄衛星監視システムの開発
樹木の入皮は環境汚染のタイムカプセル
樹木の入皮は、過去の大気汚染物質を封印し蓄積するタイムカプセルのような性質を有しています。これを利用して過去における重金属汚染や酸性汚染物質の分析を行い、環境汚染の歴史を解明する研究を行っています。