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個別分野 湖沼と海の環境

研究概要(パンフレットから)

国立環境研究所では、富栄養化の進んだ湖沼や沿岸海域における水質汚濁汚染メカニズムの解析や広い領域を対象にした海洋環境モニタリングに関する研究を進めています。

湖沼における難分解性溶存有機物

琵琶湖をはじめ多くの湖沼では、流域から発生する汚染物質の量を減らす対策が行われています。にもかかわらず、この10数年間、湖の中に溶けている有機物の量は徐々に増加を続けています。これは何らかの分解されにくい有機物が湖の中に貯まってきていることを意味しています。このような状態の湖水を飲料水として利用すると、その浄水処理過程でトリハロメタンという発がん物質が発生しやすくなります。また、プランクトンなどの種類や量など湖の生態を変えてしまう可能性もあります。研究所では、湖の環境を守るために、分解されにくい有機物の種類とその性質、および起源を解明する研究をしています。また、トリハロメタンの生成量、湖水中のプランクトン量や種類にどのような影響があらわれるかを予測する研究をしています。

これまでの研究で、分解されにくい有機物の大部分は湖の自然サイクルの中で生産されますが、下水処理水の寄与も無視できないほどに大きいのではという結果が得られています。

グラフ:溶存有機物の月変化
霞ヶ浦湖水中の溶存雪物(DOM)、フミン物質(AHS)、親水性有機酸(HiA)及び難分解性DOM、AHS、HiAの月変化(1997年)

池とその周辺環境とのかかわりを探る

日本では、西日本を中心として多くのため池が作られてきましたが、都市化に伴う富栄養化、埋め立て、さらにはブラックバスやブルーギル等の外来種の侵入、希少動植物の乱獲等により、池に生息あるいは生育する生物の多様性が減少しつつあります。

写真:窒素・リンの濃度が高くてもアオコが発生しない池の景観
窒素・リンの濃度が高くてもアオコが発生しない池の景観

ため池を主な生息域としているトンボは約80種いると言われています。研究所では、ため池周辺に生息するトンボを指標生物として、ため池周辺の土地利用や水辺の植物群落の役割について評価し、生物多様性の維持機構の解明など水域の環境保全のための研究を行っています(グラフ:1)。

(グラフ:1)ため池のトンボ種数を決定する要因
(グラフ:1)ため池のトンボ種数を決定する要因。出現したトンボの種数を縦軸に、横軸に水草種数、非コンクリート周長、全窒素、周囲200m以内の森林面積をとりますと、トンボ種数は水草種数、非コンクリート周長、全窒素、周囲200m以内の森林面積と強い正の相関を示し、全窒素とは強い負の相関を示しました。横軸の4つのパラメータ間に強い相関はありませんが、これら4つのパラメータでトンボ種数の80%を説明でき、水草だけでも53%説明できることがわかりました。


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