ここからページ本文です

重点特別研究プロジェクト(平成13年度〜平成17年度) 環境ホルモン・ダイオキシン

ダイオキシン

ダイオキシン類による環境汚染は、我が国のみならず国際的に大きな社会問題となっています。わが国における現在の主たる発生源は、焼却炉等での燃焼過程と見られています。また、調査の結果、新たな発生源も見出されてきており、今後とも発生源の調査と対策が求められます。

1999年には、水、大気、土壌の環境基準が設定され、排ガス、排水等の基準も整備されました。一方で、母体内に蓄積したダイオキシンが胎児に影響し、その後の神経行動発達に障害があらわれる可能性や、コプラナーPCBによる乳がんリスクの上昇を示唆している疫学調査などもあり、動物実験によるリスク評価研究と並んで、人を直接対象とした健康リスク評価がますます重要となってきています。

当研究所では、ダイオキシン対策や影響リスク評価に必要とされる、環境試料(大気、水、土壌、焼却灰、食品など)や人の生体試料(血液、組織、尿など)に含まれるダイオキシン類の測定法の標準化や精度管理、各種試料中ダイオキシン類等のモニタリングや曝露評価、ダイオキシン類等の地球規模汚染の解明や生態系影響(各種生物を含む)の評価、新規物質への対応など一連の研究を総合的に行っています。

また、ダイオキシン類の健康リスク、特に生殖・発生影響にかかわるリスクを評価することを目的として、ヒトにおけるダイオキシン類の曝露量、体内負荷量の評価、バイオマーカーの適用可能性、新規バイオマーカーの探索・開発、ダイオキシン類に対する感受性を規定している要因の分子レベルでの解明などの研究を進めています。

これらの研究と併せて、環境中での環境ホルモン・ダイオキシンの動態を明らかにし、また、対策技術やリスク管理の手法を開発することが求められます。環境動態の研究とともに、植物を利用した汚染土壌の浄化技術の開発、また、環境汚染の評価と管理を行うために環境動態や環境情報を地理情報システム(GIS)上で統合的に解析する手法の研究、さらに環境ホルモン物質の影響を評価するための環境ホルモン物質データベースの開発などを行っています。

写真:カワウ
グラフ:関東におけるカワウ個体数と致死割合の推移
関東におけるカワウ個体数と致死割合の推移
図:ダイオキシン類の排出量と土壌濃度の地理情報システム(GIS)マップ
ダイオキシン類の排出量と土壌濃度の地理情報システム(GIS)マップ
グラフ:世界で最初のPBDD/Fの検出
世界で最初のPBDD/Fの検出
図:太平洋及びその他の地域におけるアカイカ類肝臓中のダイオキシン類レベル
太平洋及びその他の地域におけるアカイカ類肝臓中のダイオキシン類レベル(pgTEQ/g組織)

現状では、内分泌かく乱化学物質やダイオキシンについては、未解明の部分が多く、本プロジェクトは、まず、どのような現象が起きているか、それがどのような原因によるものであるか、どのような対策が考えられるか、という問いに対して、総合的な研究により答えを用意しようとするものです。


サブナビゲーション



フッターユーティリティメニュー