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重点特別研究プロジェクト(平成13年度〜平成17年度) 環境ホルモン・ダイオキシン

研究概要(パンフレットから)

ダイオキシンと環境ホルモン〜市民の関心が高いこれらの物質群が、環境や人間の健康に対して持つ意味は、なお十分に理解されているわけではありません。その対策を講じるには科学的理解が不可欠であり、総合的な研究が必要とされています。
国立環境研究所・内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクトでは、環境ホルモン・ダイオキシンの問題に対して、1:測定方法の開発、2:環境汚染の現状の把握と評価、3:影響の解明、4:対策技術や手法の開発、の4つの側面から、2001年に完成した環境ホルモン総合研究棟の設備も活用して研究を推進していきます。

環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)

環境ホルモンとは、人や野生動物の内分泌作用をかく乱し、生殖機能阻害等を引き起こす可能性のある、環境化学物質の総称です。これらの物質による生体や環境に対する影響については、科学的に解明されていない点が数多く残されています。
環境ホルモンは人や生態系に取り返しのつかない重大な影響を与えると危惧されており、その汚染状況の把握やメカニズムの解明とともに、予防的な対策が求められています。

当研究所では、すべての環境媒体中に含まれる環境ホルモンの量を定量的に測定するための高感度計測技術の開発と、内分泌かく乱の強度を測定するための生物や受容体結合性等を用いたスクリーニング法、人や動植物への曝露の程度を測るためのバイオマーカーの開発などの研究を行っています。

また、人や、生態系を構成する魚類、両生類、鳥類や無脊椎動物などの野生生物における性及び生殖能の異常等と環境ホルモンとの関係や作用メカニズムを解明するための野外調査や生物試験などの研究を行っています。また、環境ホルモンがヒトの脳・神経系や免疫系に与える影響を解明するための超高磁場MRIを用いる画像診断法の開発や、実験動物を用いる行動科学的、神経生化学的、分子生物学的及び組織学的手法の研究を行っています。

図:内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理
グラフ:遺伝子組み換え酵母を用いた環境ホルモン(エストロゲン)の検出
遺伝子組み換え酵母を用いた環境ホルモン(エストロゲン)の検出
エストロゲン受容体遺伝子を組み込んだ酵母を用いてエストロゲン様物質を簡便に検出できる試験系を開発しました。環境試料中のエストロゲン活性も調べています。エストラジオールに換算して 5pptを示したサンプル例です。
写真:化学物質の生物への影響を調べるために、様々な試験法が提案、実施されています。
化学物質の生物への影響を調べるために、様々な試験法が提案、実施されています。マウス、ウズラ、カエル、メダカ、エビ、ミジンコ等のいろいろなレベルの生物を特別に飼育し、ごく微量でホルモン作用を持つ化学物質の検出も出来るような試験系を構築しています。
写真:巻貝の一種イボニシ
巻貝の一種イボニシでは、船底塗料などに使用されてきた有機スズ化合物(トリブチルスズとトリフェニルスズ)がごく低濃度で作用して雌に雄の生殖器(ペニスと輸精管)がj形成されるインポセックスが起きることが明らかとなりました。

グラフ:バイ貝の漁獲量減少と困難となった種苗生産(人工孵化放流)
バイ貝の漁獲量減少と困難となった種苗生産(人工孵化放流)
ある県のバイ貝の漁獲量は、1984年を境として激減しました。人工孵化放流の現場では親貝の産卵量が1980年代半ば以降減少したのに伴って、稚貝の放流量も減少し、漁獲量の低迷が続きました。 こうした現象はインポセックスに付随して起こった産卵障害によるものと考えられます。なお、自県のバイ親貝の産卵量が増えないため、1992年から他県の親貝が導入されて産卵量が増加しました。
写真:超高磁場MRI によるヒトの脳のT1強調矢状断像
超高磁場MRI によるヒトの脳のT1強調矢状断像
脳梁の大きさが、男性と比較して女性の方が大きいと言われています。MRIを用いると脳梁を描出することが可能となります。


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