地球温暖化
  地球温暖化 (global warming) とは、化石燃料などの大量消費の結果、大気圏に二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが蓄積・増加してきたため地球表面の温度が上昇してきている現象のことです。今後このまま温室効果ガスを排出し続ければ気温はさらに上昇し、各種の気候変動 (climate changes) をもたらし、人類の生活や健康、さらには生存にも影響が出てくることが予想されることから、現時点における有効な対策が求められています。ここでは、気候変動の現状評価と同時に、人類の健康への影響を評価する視点からみて必要となる気候変動に関する情報についても考えてみましょう。このホ−ムペ−ジでは、地球温暖化を含め、予想される気候全体の変化を総合して気候変動と呼ぶことにします。
IPCCの第3次評価報告(2001)における予測
  気候変動に関する政府間パネルの第3次報告(IPCC,2001)は、地球表面温度は過去50年間にもすでに0.6℃上昇しており、また、種々の温暖化予測モデルを用いた計算を基礎に、今後100年間の地球上の平均温度が最高5.8℃上昇するであろうと予測しています。なお、気温上昇は北極周辺の方が大きい傾向があることが予測されています。また、同時に、海面が数十cm上昇したり、降雨量が変化することも予想されています。地球温暖化とは、気温が上昇するだけでなく、各地域の気候変動をもたらすことから、どのような影響が発生するかを予測評価するには、それら気候変動全般が問題となります。
最近の影響研究における認識
気候変動の諸相ー気候の長期的変化と短期的変動がある!
  地球温暖化はさまざまな気候要素の変動を伴うと予想されることから一般に「気候変動」と総称されています。この「気候変動」は、しかし、時間空間スケールの違いに着目して、
  (1) 長期(数十年〜数100年)にわたる気候変化 (climate change)
  (2) 短中期(月〜年)の気候変動 (climate variability)
  (3) 日単位の大きな気象変動 (異常気象:extreme weather)
の3つに分けられることが多くなってきました。とくに、人の健康への影響を考えるためには、長期に亘るゆっくりとした気候変動とは別に、熱波や洪水などをはじめ、短中期や日単位の異常な気候や気象の増加が注目されているからです。これまでとは異なる詳細な予測情報が必要となっていると思われます。
  関連して、つい最近、ヨーロッパのRCMモデルを用いた予測において、気候の変動(variability)を検討した結果がNatureに発表されました。その情報では、5℃以上の気温上昇が予想されている地域と、変動が例えば100%以上大きくなる地域がズレることも予想されています。(詳細は、Schar C. et al. The role of increasing temperature variability in European summer heatwaves. Nature (published online 11 January 2004)を参照). 先述のように我が国でもRCM20による予測計算が試みられていますので、今後我が国における変動についても同様に検討することが出来るものと期待しています。
最近の影響研究における認識
都市のヒ−トアイランド現象も考慮することが必要
  地球規模の温暖化では通常問題とならないが、各地域における健康との関係では重要となるものに「ヒ−トアイランド現象 (Heat Island Phenomena)」があります。これは大都市の都心部では郊外より気温が"島状”に上昇する現象とされています。例えば、東京はじめ6大都市の気温は過去100年で2〜3℃上昇したが、地球温暖化による上昇は平均0.6℃程度とされており、残りはヒ−トアイランド現象によると考えられています。その原因は、アスファルトやコンクリ−トで地表が覆われ、そこに日射熱が蓄積されること、緑地の減少により、水分の蒸発による気温低下が少ないこと、また、自動車排気ガスの増大や、エアコンの大量使用がさらに外気温を押し上げるといった悪循環によるものです。ヒ−トアイランド現象は大気の”熱汚染”とも呼ばれています。とくに、日中の最高気温が30℃を超える「真夏日」や、明け方の最低気温が25°C以下にならない「熱帯夜」が増えているのはこの現象によるところが大きいとされています。なお、ヒ−トアイランド現象については、最近、政府レベル(府省間連絡会議)において「ヒ−トアイランド対策大綱」が策定されており、影響評価の強化や対応策の検討の必要性を指摘しています。