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調査地の概要--アナドマリ前 (K2)


1. 地形環境
  黒島の北東に位置するアナドマリ海岸の約500m沖で、礁池
内に散在する離礁群の中から1つの離礁を選び、その離礁上部
を調査地としました。位置は北緯24°14' 48.6"、東経124°01'
 43.6"です。測線の方位は285°(西北西)→105°(東南東)で、
測線下の水深(満潮観測時の深さ)は平均2.3m(範囲1.5〜5.6
m)です。黒島の南半分を囲む裾礁の一端はアナドマリ沖で途
切れ、本地点を含む離礁群の西側は外海に面しています。本
調査地は潮流れは良いのですが、透視度は黒島港前ほど良く
ありません。また、ダイバーの利用頻度も低くなっています。
2. 近年のサンゴ群集の動態
  この地点では、1980年以前は高密度なサンゴ群集が存在し
ましたが、1981年前後にオニヒトデの食害に遭ってサンゴ群
集は全て消失しました。1990年頃よりサンゴの定着が目立つ
ようになり、1993年には被度20%、1996年には50%、この画
像記録が始まる直前の1998年春期には、被度90%のミドリイ
シ類主体のサンゴ群集が回復していました。
 1998年初夏に水深3m以深に生息するコリンボース状ミドリ
イシ類に大量弊死現象が起こりました。原因としては、サン
ゴ食コペポーダが大量に増殖した可能性が考えられます。こ
のため、被度は65%に低下し、さらに、その年の夏季に生じ
た異常高水温により被度はさらに50%まで減少しました(白
化現象)。
  1999年夏季には被度は60%に回復しましたが、その年暮れ
の異常寒波により被度は30%にまで低下しました。この時に
は、潮間帯付近のサンゴ群集が凍死しました。その後、サン
ゴ類の成長は順調に進み、2000年秋期には被度40%に、2001
年初夏には70%にまで回復しました。
  ところが、その夏にふたたび起こった白化によりサンゴが
大量に斃死し、被度は30%にまで低下しました。なお、本地
点においては、1998年よりも2001年の白化現象の方が、度合
いが大きかったようです。また、2003年には大型台風の波浪
により、枝上ミドリイシ類に被害が生じ、被度はさらに25%
にまで低下しています。
 このように、本調査地は黒島港前(K1地点)と比較すると
サンゴ群集変動は大きく、特に近年は異常高・低水温により
頻繁に大きな攪乱を受けています。
3. サンゴ組成
  ミドリイシ類の優占率が95%以上を占めています。ミドリ
イシ類は群体形状からコリンボース状(放射状に短い枝を伸
ばした低いドーム型のもの)、枝状、卓状の3つに分類されま
す。本調査地に出現する主な種は以下のとおりです。
  
  ミドリイシ科
    
    コリンボース状ミドリイシ類
      コユビミドリイシ、ハナガサミドリイシ
             
    枝状ミドリイシ類
      スギノキミドリイシ
       
    卓状ミドリイシ類
    クシハダミドリイシ
      
  オオトゲサンゴ科
     マルハナガタサンゴ
          
  キクメイシ科
    ウスチャキクメイシ