研究の概要 1(環境ホルモン研究)

   内分泌かく乱化学物質のリスク評価と管理に関する研究

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  環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)

環境ホルモンとは、人や野生動物の内分泌作用をかく乱し、生殖機能阻害等を引き起こす可能性のある環境化学物質の総称です。これらの物質による生体や環境に対する影響が本格的に研究されるようになったのは最近のことであり、科学的に解明されていない点が数多く残されています。

環境ホルモンは人や生態系に取り返しのつかない重大な影響を与えると危惧されており、その汚染状況の把握やメカニズムの解明とともに、予防的な対策が求められています。

    ホルモン作用のメカニズムと優先してリスク評価に取り組むべき物質

当研究所では、すべての環境媒体中に含まれる環境ホルモンの量を定量的に測定するための高感度計測技術の開発と、内分泌かく乱の強度を測定するための生物や受容体結合性等を用いたスクリーニング法、人や動植物への曝露の程度を測るためのバイオマーカーの開発などの研究を行っています。
また、人や、生態系を構成する魚類、両生類、鳥類や無脊椎動物などの野生生物における性及び生殖能の異常等と環境ホルモンとの関係や作用メカニズムを解明するための野外調査や生物試験などの研究を行っています。また、環境ホルモンがヒトの脳・神経系や免疫系に与える影響を解明するための超高磁場MRIを用いる画像診断法の開発や、実験動物を用いる行動科学的、神経生化学的、分子生物学的及び組織学的手法の研究を行っています。



  
研究計画

 
 測定方法の開発 (内分泌かく乱化学物質の分析手法の開発)   
      
液体クロマトグラフ質量分析法、液体クロマトグラフ核磁気共鳴分析法(NMR)の適用による高感度分析手法の開発・受容体結合性や培養細胞等を用いて未知の内分泌かく乱化学物質を検出する。
常時モニタリング用分析装置の開発


 
 環境汚染の現状の把握と評価
 
霞ヶ浦、東京湾において、工業出荷量の多い約10種類の内分泌かく乱化学物質の存在量,存在形態生物蓄積,分解速度代謝産物と活性をそれぞれ明らかにする。

   影響の解明

イボニシをはじめとする巻貝への影響

・ 魚類、鳥類などの野生生物の繁殖に対して, 個体数,、性比、繁殖障害などの影響調査生態影響の試験法を検討する。
        
・ 内分泌かく乱化学物質のヒトや実験動物の脳神経機能や生殖系に及ぼす影響を,核磁気共鳴イメージ技術(MRI)、行動科学的
, 生化学的及び組織学的手法を用いて明らかにする。
 (MRIを用いる脳,神経機能の計測)

   環境リスクの評価と管理を統合的に行うための情報システムの開発

環境ホルモン・ダイオキシンなどについて、モニタリング・影響評価・環境動態を複合的に扱う情報システムの構築に関する研究を行っている。