科学技術庁振興調整費
生活・社会基盤研究のうちの生活者ニーズ対応研究
「内分泌攪乱物質による生殖への影響とその作用機構に関する研究」


I. 内分泌攪乱物質の計測手法及び評価手法の開発
 内分泌攪乱物質と総称される群の物質群 (DDT 等の有機塩素化合物、重金属と有機金属化学物、フタル酸エステル類、アルキル及び塩化フェノール類、ビスフェノールA、トリアジン系除草剤等)の高感度分析法の開発を行い、測定を通じて環境中濃度及び暴露量評価を行う。また、内分泌攪乱活性を測定する in vitro 及び in vivo の手法を確立し、実験生物を用いた試験から既存及び新規の化学物質の内分泌攪乱から見たリスク評価手法を確立する。

II. 内分泌攪乱の発現メカニズムの解明に関する研究
 内分泌攪乱作用のアッセイ系の開発は多く行われてきているが、内分泌攪乱物質により引き起こされる生殖異常などのメカニズムは、ほとんど解明されていない。内分泌攪乱物質が、どの器官、組織にどのようなメカニズムで異常を引き起こすのかを、エストロゲンに応答する遺伝子群や分化に関する遺伝子群などの遺伝子レベルやホルモンレベルでの調査等を通じて、分泌攪乱の発現メカニズムの解明を行う。

III. 生物界における内分泌攪乱の実態解明に関する研究
 内分泌攪乱物質の各種生物に対する影響は断片的に把握されているにすぎず、国内においては有機スズ化合物による巻き貝のインポセックスの事例を除いてその実態を詳細に研究した例はない。本研究では、国内の淡水魚類、海産魚類、貝類、及び内分泌攪乱が指摘されている諸外国で採取された野生生物を試料として、内分泌攪乱の実態をビテロゲニンなどのバイオマーカーの発現、生殖線や性比の異常などから明らかにする。また、ヒトへの影響に対する知見を精巣組織における内分泌攪乱の実態調査を通じて集積する。


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