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生物多様性セミナー 2005年3月

トンボの生息地予測

辻 宣行(生物個体群研究チーム)

種と環境の関連の解析は生態学における中心課題の一つであり、1800年代より 始められている。近年、統計やGISの進歩により広く議論されている。我々は日 本産トンボのデータを二次メッシュ(10Kmメッシュ)で入手し、生息地予測を試 みた。データで問題となるのは、観測努力がメッシュ間で一様でないことや、観 測ミスなどによるデータの信頼性である。我々はまず、メッシュ毎の温度に注目 した。観測データにもとずき、温度-出現頻度曲線より、累積分布曲線を描き、 信頼出来ると思われる温度範囲の中央値付近のデータのみを使い、生息可能な温 度範囲を推定した。予測パラメータとして、傾斜角や森林率も採用し、同様なこ とを行った。局所的に観測される希少種は、観測情報量の相対的な少なさと温 度、傾斜角以外の決定要因のために予測はうまくいかない事が多い。