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生物多様性セミナー 2005年7月

遺伝子組換えナタネの分布調査

中嶋信美 (分子生態影響評価研究チーム)


 採油用に輸入されているセイヨウアブラナの種子に混在する除草剤耐性遺伝子組換えセイヨウアブラナ(以下GMセイヨウアブラナ)が一般環境中に生育しているかどうかの調査をおこない、遺伝子組換え植物の拡散状態の現状把握を行うことを目的として、関東地方の幹線道路沿いや河川敷合計139地点に生育しているセイヨウアブラナ(Brassicanapus L)やカラシナ(Brassica juncea L)の種子を採取した。採取した種子を閉鎖系温室に播種し、除草剤耐性試験と除草剤耐性遺伝子の存在を調べた。その結果、鹿嶋港の5 地点および国道51号線沿いの8地点から採取した種子から育った個体でグリホサート(商品名:ラウンドアップ)耐性が検出された。これらの個体よりDNAを抽出して、グリホサート耐性遺伝子の有無を確認したところ、1地点を除くすべての個体でグリホサート耐性遺伝子が確認できた。また、鹿嶋港の1地点、国道51号線沿いの2地点及び国道124号線の1地点から採取した種子から育った個体でグルホシネート耐性(商品名:バスタ)が検出された。これらの植物ではグルホシネート耐性遺伝子が1地点を除くすべての個体において確認できた。一方、上記以外の地点から採取した種子からは除草剤耐性個体は検出されなかった。以上の結果、国道51号線および国道124号線沿いにはGMセイヨウアブラナが生育していたと考えられる。また、上記以外の調査地点由来の種子には除草剤耐性の個体は検出されなかったことから、GMセイヨウアブラナは検出された地点に限定的に生育していたと考えられる。セミナーでは今年度の状況についても報告する。