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生物多様性セミナー 2003年1月

ビスフェノールAを無毒化する植物のグルコース転移酵素のcDNAクローニング

中嶋信美 (分子生態影響評価研究チーム)


内分泌攪乱化学物質とされているビスフェノールAはプラスチックの可塑剤として 広く使用されており環境中へ大量に流出している。我々はこれまでに植物を用いて 環境中に流出したビスフェノールAを回収する事、またその流出を予防することを 目的として、植物がビスフェノールAを吸収・代謝することができるかどうか調べた。 その結果、ビスフェノールAは植物体内でグルコース配糖体となり、 エストロゲン活性を失い、葉に蓄積する事を明らかにした。 次にビスフェノールAの配糖化に関わる酵素 (Bisphenol A:glucosyltransferase: 以下BGT)をコードする cDNA を単離する目的で植物のグルコース転移酵素で 保存されているアミノ酸配列を用いてプライマーを設計しタバコ由来の RNA を用いてRT-PCRを行い、タバコ実生で構成的に発現している グルコース転移酵素の遺伝子断片を100 クローン解析した結果、 これまで全長鎖が単離されているクローンばかりであったので、それらの全長鎖を PCRで増幅し、大腸菌内で発現させてビスフェノールAを配糖化できるものを選抜した。 その結果、試した4種類の遺伝子の中で1つが強いBGTの活性を持っていた。 その他に2つは非常に弱い活性を持ち、残りの1つは活性がなかった。