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生物多様性セミナー 2002年10月

置換不能度のための新しい計算法

辻 宣行(生物個体群研究チーム)


置換不能度とは、どの場所を保全すべきかの優先度を決める指標である(Presey, et al. 1993)。従って、この指標には、種多様度指数的な性格、サイト間の相互関 連、絶滅危惧種(希少種)も評価する性格が求められる。ある広い領域が、小さな複 数個の小領域(サイト)に分割されているとする。置換不能度は、その領域にいる全 ての種をあらわすために、どのサイトを組み合わせればよいのか(全種表現組み合わ せ)に基づき計算される。全サイト数をt, それよりn個のサイトを抜き出して全種表 現組み合わせを見つけるには、tCnの組み合わせ全てを調べなければならず、一般に は、大変時間がかる。

そこで、我々はまづ、一つのサイトのみに含まれる種に注目した。この種を含むサ イトは全種表現のためには必ず必要なので、全種表現組み合わせを求める時に、対象 から外すことができる。同時に、このサイトが含む他の種も計算対象から外すことが できる。さらに、なるべく少ないサイトに含まれる種に注目することにより、短時間 で計算できるようになった。また、他のアルゴリズムも考え、これらより、比較的短 時間で、正確な全主表現組み合わせを求めることができるようになった。これを実際 の関東地方のチョウのデータ(サイト数322、種数101)に適用し、置換不能度を計算 した。