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生物多様性セミナー 2002年3月

多様な生息場所の連なりの生物による利用
農耕地河川のトンボ類

高村健二(生物個体群研究チーム)


農業活動が衰退しつつあり一方で土地開発の進みつつある里地地域で、 野生生物がどのような影響を受けて、その生息状況を変化させているかを知るために、 この地域で低次捕食者として数の多いトンボ類を調査している。

この2年間茨城県つくば市の東谷田川流域で中〜大型トンボ類とのその餌昆虫の 量的分布季節変化を調査した。観察された種は、ノシメトンボ・ナツアカネ・ マイコアカネ・ヒメアカネ.ウスバキトンボ.シオヤトンボ・シオカラトンボ・ オオシオカラトンボ・ギンヤンマ・ミルンヤンマ・ナゴヤサナエ・オニヤンマ・ ハグロトンボの13種である。

これらのうちノシメトンボ・ナツアカネ.シオヤトンボ・シオカラトンボ・ ハグロトンボの5種は羽化後の非成熟期を林地で過ごし、繁殖期には水田・ 河川に出てくる生活史を持つことが定量的に把握できた。 これらの種類は観察密度の高い種でもあり、密度の高さと生活史に 対応関係のあることが窺われた。