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生物多様性セミナー 2002年7月

環境中における組換え微生物とその宿主の生残性の比較

岩崎一弘(分子生態影響評価研究チーム)


分子生態影響評価研究チームのメンバーとして、本プロジェクトの研究を遂行するた めに以下の2つの目標を設定している。

  1. 開放系利用を目的とした有用微生物の環境中における挙動(生残・増殖性、遺伝 子の発現、遺伝子の伝播等)を解明する。
  2. 環境に導入する有用微生物(およびその工学的手法)による影響(生態系構成メ ンバーの変動、機能グループの変動等)の評価法を開発する。
本セミナーでは、1)の成果、すなわち組換え微生物とその宿主の模擬環境中における 生残性試験の結果および微生物細胞内での組換え遺伝子(プラスミド)の挙動につい ての解析手法の開発について発表する。

生残性試験

これまでに作成しているマーカー付き組換え体およびその宿主を用いてマイクロコ ズムでの生残性を比較した。各種条件での水及び土壌マイクロコズムによる生残性試 験の結果、両者の生残性には違いが認められなかった。環境中での生残性に関して、 組換え体はその宿主と実質的相同であると考えられる。

組換えプラスミドの挙動

微生物細胞内での組換えプラスミドの立体構造、存在量を評価するためにゲルプラ グ法を開発した。本法は、微生物をゲルで固めた後に溶菌し、プラスミドを回収する 方法である。ついで環境中での挙動を調べるために、モデルとして蒸留水を用いた水 マイクロコズム中での組換えプラスミドの定量を行った。その結果、光の照射により 組換えプラスミドの立体構造がルーズになり、さらに存在量が減少していくことが認 められた。