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生物多様性セミナー 2002年12月

ハビタットとしてのエコトーン:その地図化と好適性評価

椿 宜高(プロジェクト・サブリーダー)


エコトーンとは2種類以上の生態系の境界で、全く異なる環境が移行する場所 をさす。たとえば陸域と水域の境界、農地と森林の境界などである。

動物が単一種類の生態系(たとえば森林、湿地、湖)だけに棲息するのであ れば、ハビタットを定義するのは比較的簡単である。しかし、多くの動物は生 活史ステージによって、異なった場所を利用したり、時間によって生活場所を 変えたりする。そのため、エコトーンは多くの動物が複数の生活条件を満足す る場所として利用し、その結果としてそこでは種多様性も個体数もが大きくな ることが知られている。

たとえば、渓流に棲むと普通は言われているカワトンボは、幼虫期は水中で 生活するが、成虫は摂食や繁殖行動のために河川周辺の森林を必要とする。結 果として、彼等のハビタットは渓流と森林のエコトーンである。このようなこ とは、行動や生態の観察から容易にわかることである。しかし、どれだけの規 模のエコトーンがあれば集団が維持されるかについては観察だけではなかなか わからない。そこで、GIS等を利用した方法を開発する必要がある。ハビタッ トとしてのエコトーンの好適性の評価とその地図化の手法を考案したので、批 判を仰ぎたい。