セミナーのトップページへ
生物多様性セミナー 2001年11月

多重空間スケールでの淡水魚類の生物多様性解析の試み

福島路生 (多様性機能研究チーム)


ダム建設、河道の直線化、河畔林の伐採等、ここ半世紀ほどの間に、効率的な土地利 用や画一的な治水をあまりにも追及しすぎた日本の国土、特に河川水辺域の環境は、 著しく均質化し、また魚類の生息環境を分断化してきました。河川の分断は、魚類の 中でも特にサケマスなどの海洋と河川を行き来する、いわゆる回遊魚の地域個体群に 致命的な影響を与えます。また河川の直線化や河畔林の喪失は、河道から淡水魚の餌 場や住処、あるいは産卵場となる瀬や淵を奪い、さらに陸域と水域との間のさまざま な有機的なつながりをもなくします。

本研究では1)淡水魚類の多様性パターンを複数の空間スケールで明らかにし、 2)その多様性パターンと河川の地形や周辺の土地利用、 植生からなるランドスケープとの関係を解析します。さらに3)淡水魚類の多様性に 及ぼす生息環境の改変、特にダムによる河川の分断化や捷水路による生息環境 の単純化などの影響を、北海道をモデル地域にして評価します。そして最終的に4) 河川と水辺の生物多様性を重視した流域管理に得られた成果を応用することを目指し ています。

多重空間スケールでの淡水魚類の生物多様性の解析