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生物多様性セミナー 2001年6月

霞ヶ浦における外来魚の侵入とその生態影響

春日清一(侵入生物研究チーム)


霞ヶ浦には外来魚、移入魚など在来種でない魚種が多いが近年養殖魚として 取り入れた南米産魚ペヘレイ,及び北米産魚アメリカナマズ(チャンネルキャ ットフィッシュ)の霞ヶ浦への定着と異常繁殖が起き、湖内生物相は著しい 攪乱を生じている. 

霞ヶ浦の漁業生産量は最大漁獲時の15%に低下し、最も重要な魚種である ワカサギは1/100以下に減少している。この漁業生産量の減少は湖内魚類現存量 (生産量)を反映していない。試験漁獲によれば商品魚は時には総漁獲量の 10%以下となり、外来魚や売れない魚が他を占めている。この様な湖内魚類相 の激変はペヘレイやアメリカナマズの生態的特性に依拠し、現在(2001年)も アメリカナマズの増加が続いており予断を許さない。

近年侵入したオオクチバスを含む3種の外来魚は強魚食性を示し、日本の 在来魚が形成していた生態ピラミットの上に位置し、生態系構造を根本的に 改変した。

ペヘレイ・アメリカナマズの琵琶湖等の大型湖沼や那珂川等の河川への侵入は ブラックバスなどの比ではない在来種への大きな影響を与えるであろう。

ペヘレイの増加は在来魚種や甲殻類の減少による動物プランクトンやユスリカの 激減からの回復によって透明度や水質の変化(回復)傾向が生じている。