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2007年12月10日

COP13・COP/MOP3サイドイベント「都市における炭素管理:政策と科学理解におけるギャップ」

 国立環境研究所(国環研)、グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)(注)及びアジア工科大学(AIT)は、2007年12月6日に、第13回国連気候変動枠組条約締約国会議・第3回京都議定書締約国会合(COP13・COP/MOP3)のサイドイベント「都市における炭素管理: 政策と科学理解におけるギャップ」を開催し、100名以上の参加がありました。このサイドイベントは、気候変動を緩和するための炭素管理に関する都市の重要性と役割についての議論のきっかけを提供することを目的としたものです。サイドイベントでは、都市レベルでの緩和策だけでなく都市における適応策の重要性も強調されました。さらに、気候変動の議論においてはより良い科学、情報ギャップの解消及び都市問題への一層の取組の必要性も強調されました。

 ソバカル・ダカールGCPつくば国際オフィス事務局長によるGCPの活動及び今回のサイドイベントの狙いについての紹介に続き、クマールAIT環境・資源・開発学部長及び笹野国環研地球環境研究センター長がそれぞれ主催機関を代表して挨拶しました。

 ダカール事務局長は、グローバルな炭素管理の文脈において都市の炭素管理が重要であると強調し、都市化はその速さ及び規模において過去に類を見ないものであり、現在の都市は世界の二酸化炭素排出量の70~85%を排出しており、その量は開発途上国、特にアジアにおける急速な都市化によってさらに増大すると見込まれていること、この事実は都市レベルでの炭素管理の機会を提供するものであること、しかしながらこれまでの科学と政策はこの点での取り組みが不十分であったと指摘しました。

 ラム・シュレスタAIT教授は、アジア諸都市の二酸化炭素の排出と緩和策の比較分析の結果を示しつつ、もし正確な科学的情報の裏づけに基づく適切な政策がなされるのであれば都市の二酸化炭素の排出削減は可能であり、その手段・方法は都市により異なると指摘しました。

 ティンダル気候変動研究センターのリチャード・ドーソン博士は、都市と気候変動を理解するための科学上の課題に関連してティンダルセンターがロンドン市と共同で取り組んでいる事業を紹介し、適応と緩和についての革新的なアプローチは都市と気候変動についての事実に基づく総合的評価により開発可能であり、科学は市当局が必要とする重要な知識を提供することができることを示唆しました。

南アフリカのエテケウェニ市のデブラ・ロバーツ博士は、地方政府レベルでの科学と政策の乖離を橋渡しする実際的な炭素管理の必要性を指摘するとともに、エテケウェニ市における適応と緩和に関する問題と政策決定者が適切な政策を策定する際に必要とする科学的情報の重要性を強調しました。

(注) 地球環境変動にかかわる国際研究計画(IGBP, IHDP, WCRP, DIVERSITAS)の連携による「地球システム科学パートナーシップ(ESSP)」がスポンサーとなって2001年に発足した国際研究計画。グローバルな炭素循環にかかわる自然と人間の両方の側面とその相互作用について、自然科学と社会科学を融合した分析を実施し、国際的な炭素循環管理政策の策定に役立つ科学的理解を深めることを目的とする。