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将来世代に対する公平選好と主観的信念の理論・実証研究(令和 5年度)
Fairness preferences and subjective beliefs toward future generations: Theoretical and empirical studies

研究課題コード
2326CD112
開始/終了年度
2023~2026年
キーワード(日本語)
世代間衡平,割引,気候変動,ランダム化比較試験,将来世代
キーワード(英語)
intergenerational equity,discounting,climate change,randomized controlled trial,future generations

研究概要

気候変動や放射性廃棄物の問題は現在世代と将来の世代の間に対立を引き起こす。従って、環境配慮行動や環境政策への支持の根底に「将来世代に対する選好」が影響を与えると考えられる。しかし、この「将来世代選好」を定量的に推計した研究は無い。そこで、本研究ではその推計に取り組む。その際には各種の技術的な課題に対処する。対処の方法としてランダム化比較試験のデザインをオンライン調査上に適用する。また、現在世代が抱く「将来世代の生活環境についての予想」を調査する。本研究の結果より、超長期的な環境政策の立案に必要な「現在世代の将来世代に対する選好・予想」という情報を収集・分析することが可能となる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

将来世代選好をバイアス無く抽出する調査方法の開発を行う。次に、開発した方法を用いて、一般の人々を対象に調査を行い、将来世代選好のパラメータを推計する。同時に、「将来世代の状態についての主観的信念」も抽出する。さらに、推計した個人レベルの選好パラメータと環境配慮行動や環境政策への支持との相関を分析する。これらと並行して、将来世代の費用と便益の割引についての最新研究の整理とモデルの検討も行う。

今年度の研究概要

将来世代選好をバイアス無く抽出する調査方法の開発に向けて、関連文献の整理と読み込み、モデルの開発を行う。特に、世代間利他性・衡平性の理論研究に取り組む。世代間の衡平性を考慮し、そこに功利主義やロールズ的なマキシミン原理といった多様な価値判断を適用できるように、ある時点の将来世代以降の世代の状態を一定とするアプローチで比較検討する枠組みを考案する。また、将来世代の費用と便益の割引についての最新研究や政策動向の整理を行う。

外部との連携

一橋大学(研究代表者)、上智大学

課題代表者

山口 臨太郎

  • 社会システム領域
    経済・政策研究室
  • 主任研究員
  • 博士(経済学)
  • 経済学
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