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ヒ素を還元する発酵細菌:地下水ヒ素汚染の知られざる原因微生物の発見(令和 5年度)
Arsenic-reducing fermentative bacteria: Discovery of unknown causative microorganisms associated with groundwater arsenic contamination

研究課題コード
2325CD105
開始/終了年度
2023~2025年
キーワード(日本語)
ヒ素,還元,発酵細菌
キーワード(英語)
arsenic,reduction,fermentative bacteria

研究概要

微生物のヒ酸還元システムには、解毒的なArsと呼吸的なArrが存在し、Arrはしばしば大規模な地下水ヒ素汚染を引き起こす。ヒ素汚染土壌より分離した発酵細菌Pelosinus sp. IPA-1は、ArsともArrとも異なる発酵的ヒ酸還元(Far: Fermentative arsenate reduction)を行うが、その分子メカニズムや、地下水ヒ素汚染に与える影響は明らかではない。本研究では、Farシステムの鍵酵素をタンパク質レベルで同定し、IPA-1がヒ酸存在下で代謝経路をどのように変化させ、生育に必要なエネルギーを得ているのか明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

微生物のヒ酸還元システムには、解毒的なArsと呼吸的なArrが存在し、Arrはしばしば大規模な地下水ヒ素汚染を引き起こす。ヒ素汚染土壌より分離した発酵細菌Pelosinus sp. IPA-1は、ArsともArrとも異なる発酵的ヒ酸還元(Far: Fermentative arsenate reduction)を行うが、その分子メカニズムや、地下水ヒ素汚染に与える影響は明らかではない。本研究では、Farシステムの鍵酵素をタンパク質レベルで同定し、IPA-1がヒ酸存在下で代謝経路をどのように変化させ、生育に必要なエネルギーを得ているのか明らかにする。また、同鍵酵素遺伝子の定量法を確立し、土壌や堆積物中における存在量をarrA遺伝子と比較する。これにより、Farシステムが地下水ヒ素汚染に与えるリスクを定量的に評価する系を構築する。

今年度の研究概要

IPA-1をヒ酸存在下で生育させ、リゾチーム処理によりスフェロプラストとペリプラズム画分を調製する。また、スフェロプラストを破砕後、超遠心分離により膜画分と細胞質画分に分画する。これら3つの画分におけるFarA活性を測定し、その局在性を明らかにする。
FarAの局在するタンパク質画分を分離し、LC-MS/MS解析に供する。得られたペプチド配列とIPA-1のドラフトゲノム情報を比較し、FarAタンパク質を同定する。

外部との連携

代表:千葉大学

課題代表者

山村 茂樹

  • 地域環境保全領域
    土壌環境研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 生物工学,土木工学
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