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サンゴの高温適応を考慮した新たなサンゴ礁将来予測の実現(令和 5年度)
(未定)

研究課題コード
2326CD108
開始/終了年度
2023~2026年
キーワード(日本語)
気候変動適応,サンゴ白化,生物適応,サンゴ礁生態系
キーワード(英語)
climate change adaptaion,coral bleaching,biological adaptation,coral reef ecosystem

研究概要

気候変動に伴う海水温の上昇によるサンゴの白化・死滅が頻発しており、現状のサンゴ温度耐性に基づく予測では、現在のペースで温度上昇すると世界のサンゴ礁生態系は著しく劣化するとされている。ただし、サンゴは高温適応能力を有しており、将来的な高温適応次第では、サンゴ礁生態系は現状の予測よりも維持されうる。しかし、サンゴの高温適応に関する知見は断片的で、実際のサンゴの高温適応を考慮したサンゴ礁将来予測は実現していない。そこで本研究課題では、沖縄のサンゴ礁に生息するサンゴ種を対象に、それぞれのサンゴ種がもつ高温適応を包括的に調べ、サンゴの高温適応(実測値)を考慮した「新たなサンゴ礁生態系の将来予測」の実現をめざす。得られた知見は、世界レベルでの早急な対策が求められているサンゴ礁生態系保全への施策提言に役立てられる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究課題の1年目と2年目において、沖縄を中心とした海域を対象とし、現在・21世紀中頃・21世紀末の海水温の将来予測値(FORP-JPN02等:RCP2.6・8.5等)をバイアス補正・統計学的ダウンスケーリングにより整備する。現在の水温分布と野外のサンゴ分布・白化の記録を用い、現在気候における各サンゴ種の生息可能な地域(範囲)を予測する統計モデルを構築する。さらに本研究課題の3年目と4年目において、研究代表の琉球大学で得られた実験結果を基に高温適応をサンゴの分布推定モデルに組み込み、気候変動が進行した将来においてそれぞれのサンゴ種が生育可能な地域(範囲)を予測する。これらの結果から、サンゴの高温適応を考慮しなかった場合(コントロールの結果を適用)と考慮した場合(高温処理の結果を適用)との将来予測を比較し、サンゴの高温適応がサンゴ礁生態系の将来予測に与える影響を明らかにする。

今年度の研究概要

本研究課題の1年目と2年目において、沖縄を中心とした海域を対象とし、現在・21世紀中頃・21世紀末の海水温の将来予測値(FORP-JPN02等:RCP2.6・8.5等)をバイアス補正・統計学的ダウンスケーリングにより整備する。現在の水温分布と野外のサンゴ分布・白化の記録を用い、現在気候における各サンゴ種の生息可能な地域(範囲)を予測する統計モデルを構築する。

外部との連携

高橋 俊一・琉球大学・熱帯生物圏研究センター・教授(研究代表)
井口 亮・産業技術総合研究所・地質調査総合センター・主任研究員

課題代表者

熊谷 直喜

  • 気候変動適応センター
    気候変動影響観測研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 生物学,理学
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