- 研究課題コード
- 2227CD001
- 開始/終了年度
- 2022~2027年
- キーワード(日本語)
- 古気候,データ同化,長期気候再解析,古天気記録,気候代替指標
- キーワード(英語)
- Paleoclimate,Data Assimilation,Long-term Climate Reanalysis,Old Weather Diary,Proxy Climate Indicators
研究概要
これまでに申請者らが開発してきた、気候代替情報と古文書天候記録で気候モデルを拘束するためのデータ同化手法を駆使し、世界初の過去1000年間の気候・気象を再現した大規模データセットを創出する。そのデータセットについて、新たな信号処理解析手法を導入し地球物理学的・歴史学的観点から十分検証した後、「過去1000年間の歴史の中で、気候・気象の変動は人間社会にどのような影響を与えてきたのか、または与えてこなかったか」という問いに対し、気候変化が社会変化に至るまでの複雑な要因や、それらの時空間影響範囲・連続性を考慮した、歴史と気候との因果関係に関する定量的な解析を行う。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
これまでの気候-歴史研究にあったような一面的かつケースバイケースな相関関係の分析にとどまらず、気候変化が社会変化に至るまでの複雑な要因や、それらの時空間影響範囲・連続性を考慮した、歴史と気候との因果関係に関する定量的な解析を可能とすることが本研究の目的である。その達成のため、1.これまでに開発されたデータ同化手法及び新たに開発する手法を用い、既存の大気再解析プロダクトを大幅に上回る、過去約1000年をカバーする大気再解析プロダクト「ミレニアム大気再解析」を構築し、2.ミレニアム大気再解析の入力データとして必要な過去の天気情報を、日本だけでなく海外からも収集し、データ同化システムに投入可能にするための構造化を行い、3.推計された気候・気象の変化と、様々な地域での社会の変化とを、時空間適用範囲に気をつけながら結びつけ、因果関係を解析する。
今年度の研究概要
ミレニアム再解析プロダクト創出班として、今年度は新たな水同位体大気モデルNICAM-WISOモデルを用い、古気候オンラインデータ同化システムの開発と検証を進める。具体的には、まず既存手法でのオフラインデータ同化を実施し、結果の差異について比較検証を行う。その上で、システムのオンライン化を実施し初期結果について検証を行う。
外部との連携
東京大学、関西学院大学、弘前大学、名古屋工業大学、情報・システム研究機構、東京都立大学、帝京大学、北海道大学との共同研究
課題代表者:芳村圭(東京大学生産技術研究所)
課題代表者
八代 尚
- 地球システム領域
衛星観測研究室 - 主任研究員