- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1921CD001
- 開始/終了年度
- 2019~2021年
- キーワード(日本語)
- リモートセンシング,地理情報システム,水質
- キーワード(英語)
- remote sensing, GIS, water quality
研究概要
急速な人口増加や経済発展にともない、特に途上国で深刻な水質汚染が問題となっている。本研究は、リモートセンシング技術で得られる反射強度データに人口分布、土地利用、経済発展の程度等のデータを加えることで、実測によらない表流水質評価手法の開発を目指す。個々の水域の水質評価モデルを構築し、モデル(説明変数、パラメータ等)を比較することで水質(特に衛生学的水質)評価の可能性と限界について考察する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
本課題は以下のような計画で研究を進める。研究期間全体の目標は、異なる地域の水域における水質評価モデル(個別モデル)の構築と、異なる地域の水域に適用できる単一の水質評価モデルの構築の2点である。
1)ケーススタディとする水域の選択、データの収集
リモートセンシングデータや水質データベースを精査し、解析データがそろう水域を選択する。衛星写真の取得時期やデータの質、水質データの諸項目(測定地点、項目、時期)など検討する。あわせて他のデータ(人口密度、GDP等)も取得する。
2)水域ごとの水質評価モデル(個別モデル)の構築
1)で取得したデータをArcGIS上で統合し、水質を被説明変数としたモデルを構築する。衛星写真の波長バンドごとの反射強度、周辺一定範囲内の人口や土地利用(都市化率等)、GDPなどが説明変数として考えられる。上記の水質指標を精度よく推定できない場合は、個々の水質項目の値を正しく推定することより、汚染の程度により数グループに分けた水質カテゴリーを判定するモデルの構築を優先する。
3)衛生学的水質を統合的に評価するモデルの構築
複数の水域に適用できる水質評価モデルの構築を目的とし、2)で構築した個別モデルで用いられた説明変数について解析する。人口やGDPは流域全体の水質汚染状況、反射強度は水域内の水質分布を表現すると予想される。次に、ケーススタディのすべてのデータを結合し、単一のモデルで水質を評価することに挑戦する。
今年度の研究概要
H31-R1年度はテーマ1)と2)に着手する。研究対象地域を1−2地域選定し、リモートセンシングデータやその他説明変数になりうるデータ、水質データを取得する。取得したデータを用いて基礎的な水質項目(BOD、大腸菌群等)を評価するためのモデルを構築する。
課題代表者
真砂 佳史
- 気候変動適応センター
気候変動適応戦略研究室 - 室長(研究)
- 博士(工学)
- 土木工学