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経済活動と資源端重量:関与物質総量に着目したリソースロジスティクスの評価(平成 31年度)
Economic activity and resource extraction: An evaluation of resource logistics focused on total material requirements

予算区分
ZZ 個別名を記載 住友財団2018年度環境研究助成
研究課題コード
1819ZZ001
開始/終了年度
2018~2019年
キーワード(日本語)
資源,採掘,物質フロー分析,関与物質総量
キーワード(英語)
mineral resource, mine production, material flow analysis, total material requirement

研究概要

世界規模での経済成長に伴う急速な資源利用の拡大と地球環境の劣化は、加速度的に増加する資源利用(業績1)は、経済成長に伴う環境容量の超過による環境制約の顕在化に加えて、資源のクリティカリティなどとして資源制約を顕在化させ、資源の持続的管理および経済成長と資源利用・環境影響のデカップリングの重要性(UNEP IRPなど)の認識を高めた。
本研究では、新興国の経済成長および温暖化対策技術としての低炭素技術の導入を念頭に、主要な鉱物資源を対象としてとして、サプライチェーンを通じたものの流れ、すなわち、リソースロジスティクスの強化戦略を議論する。その為に、世界全体および日本の経済活動が誘引する資源採掘量および隠れたフローを含めた関与物質総量(Total material requirement: TMR)を同定する。低炭素技術の導入シナリオを含めた将来シナリオを設定した上で、シナリオに対応した社会像を定量的に描く。また、強化戦略としては、欧州におけるCE(Circular economy)戦略を踏まえて、豊かなマルチバリュー循環の実現を目指して、我が国の循環構造の再設計の為の指針を提示する事を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究では、世界全体および日本の経済活動が、サプライチェーンを通じて誘発する資源採掘量、および、資源採掘に伴う関与物質総量(TMR)の定量解析を柱として、豊かなマルチバリュー循環を実現する為のリソースロジスティクスの強化戦略の立案に取り組む。

1. 資源利用に関わるサプライチェーン構造および誘発資源採掘量の解析
UNComtradeから得られる貿易構造、USGS等から得られる各国の資源採掘量を含む統計情報から整備する国際サプライチェーン情報と日本の産業連関表をGLIOモデルで接続する事で、全世界の資源利用ネットワークを俯瞰したマテリアルフローの同定を実現する。日本の経済活動に伴う誘発採掘量の解析に際して、これまで実施してきた2005年産業連関表表に加えて、新たに2011年表との接続を実施した上で解析に取り組む。将来推計に際しては、需給構造や技術構造等の変化として、低炭素技術の導入の他、GDP・人口を含む各種の社会・経済指標との関係性を踏まえて、複数の将来シナリオを設定した上で、将来像の定量化を進める。

2. 天然資源の採掘に起因するTMRの解析
資源採掘量(統計値)および上記1で得られた誘発資源採掘量(推計値)をもとに、世界および日本の経済活動に伴う天然資源の採掘に起因するTMRの解析を実施する。採掘量のTMRへの換算に用いる物質集約度指標については、原田ら(2001)および片桐ら(2009)による推計値を適用し、世界および日本の経済活動に起因する採掘活動が誘発する関与物質総量について、資源種別の世界分布とその変遷の可視化を実現する。

3. リソースロジスティクスの強化戦略の立案
上記1および2の解析を通じて、注視すべき国・地域や管理するべき日本の経済活動を同定し、資源消費が誘発する採掘に伴う関与物質総量とその影響の管理方策の検討、更には、資源消費国の立場として、取り組む事が望まれるリソースロジスティクス戦略を議論する。欧州を中心に議論が進められているサーキュラーエコノミー(CE)戦略を視野に入れ、物質循環の閉ループ化を支える豊かな循環構造の実現に向けた強化戦略の立案を目指す。強化戦略としては、劣質・未利用資源の有効利用の為の低減の他、使用済み製品の残存価値の抽出を実現する為の静脈資源物流に関する情報プラットホームビジネスの在り方に関する検討を含める。

今年度の研究概要

2019年度は、前年度に継続して、上記1および2の資源利用に関わるサプライチェーン構造および誘発資源採掘量の解析に注力する。また、上記3の強化戦略の立案のために、欧州を中心に議論が進められているサーキュラーエコノミー(CE)戦略の情報収集、物質循環の閉ループ化を支える豊かな循環構造の実現に向けた強化戦略の検討を進める。強化戦略としては、劣質・未利用資源の有効利用の為の低減の他、使用済み製品の残存価値の抽出を実現する為の静脈資源物流に関する情報プラットホームビジネスの在り方に関する検討を含める。また、成果の発信に取り組む。

課題代表者

中島 謙一

  • 資源循環・廃棄物研究センター
    国際資源循環研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,材料工学
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