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放置リスク評価に基づく里山林・人工林からの撤退シナリオ(平成 26年度)
Withdrawal scenario from Satoyama and plantation forest based on the risk assessment of abandonment

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1216CD001
開始/終了年度
2012~2016年
キーワード(日本語)
生態系サービス,地理情報システム,シナリオ分析
キーワード(英語)
ecosystem services, Geographic Information System, scenario analysis

研究概要

燃料・肥料革命を経て、少子・高齢化、農山村過疎化のいま、里山林・人工林からの賢明な撤退の道筋を描くことが現代日本の重要課題である。自然資源の生態系サービスは、通常「存在すること」によって得られるプラス面のみ評価される。しかし、人が作り出してきた生態系、里山林や人工林にはその評価軸は適さない。なぜなら、利用の低減により自然林にはなかった負の生態系サービス (リスク)が生じているからである。里山林の放置は野生動物とヒトの軋轢(あつれき)を招き、手入れされない過熟人工林は災害を増幅させる場合がある。
本研究は、北海道全域を対象に、1)里山林・人工林の放置が引き起こすリスクの実態解明、2)実態のモデル化と高リスク地域の抽出、3)里山林・人工林からの撤退シナリオを技術の提案と共に描くことを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

2014年度まで
1)放置が引き起こすリスクの実態解明 に取り組む。
放置里山林: 放置が引き起こすリスクの実態解明 に取り組む。放置里山林 まず現代ヒグマの大腿骨資料の同位体分析をし、代表的な食物資源割合を明らかにする。
放置人工林: 衛星画像および空中写真で、北海道内国有林および道有林の風倒地の抽出および風倒パッチに散乱する倒木・残存木の密度の抽出を行う。現地踏査で倒木・残存木の密度の計測を行う。

2015 年度以降
引き続き、1)放置が引き起こすリスクの実態解明 に取り組む。
放置里山林: 古代ヒグマの遺骨(博物館)の資料を収集し、同位体分析する。C4 植物(農作物)や生ゴミ類などの人工物の食物資源割合を、古代ヒグマと現代ヒグマで比較し、現代ヒグマの食物資源のヒト依存度を算出する。
放置人工林: 前年度に抽出した風倒パッチの地形要因と生物要因をGIS で抽出する。これらの要因が、人工林と天然林の倒壊地の発生にどの程度関与しているのかを、GLMM(一般化線形混合モデル)などの統計モデルを用いて明らかにする。
2)実態に基づくモデルの構築と、高リスク地域の抽出
放置里山林: ヒグマの行動に影響を与えうる環境の人為改変(森林改変および河川改修)を北海道全域にわたってGIS 上で抽出し、1)で算出したヒグマのヒト依存度との関係をGLM(一般化線形モデル)などの統計モデルを用いて解明する。
放置人工林:人工林の倒壊リスクを一般化するために、北海道で倒壊履歴の明らかな複数の人工林で、地形要因および生物要因と、人工林倒壊リスクとの関係をモデル化する。その結果より、倒壊の危険性の高いエリアの抽出をGIS で行う。
3)里山林・人工林からの撤退シナリオを技術の提案と共に描く
・多様な林齢の人工林において、広葉樹稚樹の生育量と林床の物理環境・生物環境の調査を行う。針葉樹人工林内に広葉樹が再生し、自然林へと再転換する可能性を推定するモデルを構築し、GIS で「人工林の自然林への再転換」のポテンシャルマップを描く。
・自然林への再転換のレベルに応じた撤退シナリオをGIS 上で再現する。各シナリオのもとで、里山林と人工林の放置が引き起こす負の生態系サービス(リスク)がどのように変動するか解析する。

今年度の研究概要

衛星画像および空中写真による北海道内国有林および道有林の風倒地の抽出
風倒パッチに散乱する倒木・残存木の密度の抽出

外部との連携

研究代表: 森本淳子 北海道大学 農学研究院 准教授

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

三島 啓雄

  • 生物・生態系環境研究センター
    生物多様性評価・予測研究室
  • 准特別研究員
  • 農学修士
  • 地理学,コンピュータ科学,生物学
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