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放射能汚染廃棄物処理施設の長期管理手法に関する研究(平成 25年度)
Study for establishment of long-term management methods for treatment facilities of radioactive contaminated wastes

予算区分
BE 環境-推進費(補助金)
研究課題コード
1213BE002
開始/終了年度
2012~2013年
キーワード(日本語)
震災対応,廃棄物処理施設,維持管理,放射性物質
キーワード(英語)
earthquake disaster, waste management facilities, maintenance, radioactive substances

研究概要

東京電力?福島第一原子力発電所の事故により、東日本一帯が放射性物質により汚染された。国では8月末に放射性物質汚染対処特別措置法(以下、特措法)を制定・施行し、基本方針及び環境省令の作成作業を急ぎ、2012年1月1日から本格施行される。福島県内や県外のホットゾーンにおいて生じた廃棄物の焼却処理過程からは、特措法における「指定廃棄物」に該当する8,000Bq/kg以上の高濃度焼却灰が多くの施設で発生しており、焼却過程における排ガス処理性能や埋立処分の方法などが緊急的に検討されている。検討結果は、環境省令や技術指針などに早急に反映されると考えられるが、施設の解体撤去を含む長期的管理のあり方や具体的な手法については、放射性Csの長期的挙動に関する経験を有していないことから、関連する知見はほとんどなく、十分に確立されていない。
 そこで本研究では、放射性物質により汚染された廃棄物の中間処理や最終処分施設における放射性Csの挙動を把握、解明し、長期的な維持管理や最終的な廃止・解体撤去などの適正な方法を確立し、環境影響を低減するとともに作業者の放射線障害防止に資することを目的にする。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

焼却などの中間処理や埋立(埋設)による最終処分、中間貯蔵の過程における放射性セシウム(Cs)の長期的な挙動を把握、解明し、今後の施設の維持管理や解体撤去に係る長期的な管理手法を確立し、提示する。
 中間処理の主な技術である焼却処理については、放射性Csが特に高濃度化すると考えられる炉材への蓄積について、安定Csを指標として既設焼却炉の実態調査を行うとともに、Csの存在形態に関する熱力学的なシミュレーション解析や、検証のためのラボスケールの燃焼炉によるモデル試験を行う。それらの検討を踏まえて、放射性Csの炉内存在状態や、炉材内部への移行、炉内濃度の変化に伴う可逆的又は不可逆的移動などについて現象解明を行い、長期的な挙動の予測モデルを構築する。予測モデルを用いたシミュレーションにより、炉内蓄積の回避による作業者被ばく防止や、生じた廃棄物の濃度レベル低減のための、定期的炉内点検・解体撤去前のクリーニング手法を提示し、検証する。クリーニング手法としては、放射性Csフリーの廃棄物や燃料のみ一定時間の燃焼による炉内除染を検討する。
 埋立処分については、放射性Csの存在形態やその長期的変化、移動性、土壌への吸着保持などについて、様々な角度から検討を行う。安定Csの挙動に着目し、埋立後数十年経過した焼却灰主体の既存処分場においてボーリング調査を実施し採取した試料について、逐次抽出法によって存在形態を推定する。また、現在発生している放射性Csを含む焼却主灰、飛灰についても同様に逐次抽出法を適用し、放射性Cs及び安定Csの存在形態についてボーリング試料と比較考察する。また、既存処分場においてボーリング調査とともに電気探査法を適用し、内部構造や水の滞留状態を把握し、安定Csの挙動との関係を考察する。一方、多数の既存処分場の浸出水塩類濃度と安定セシウム濃度のデータを集積し、両者の関係を考察し電気伝導度等を代理指標とした安定Csの長期挙動予測の経験則を得る。さらに、層内の土壌の吸着保持能力を吸着試験により確認し、それらの効果も含めた長期的な放射性Cs挙動予測モデルを確立する。以上の知見を踏まえて、最終処分場の長期的な監視手法や廃止基準・方法について提示する。

今年度の研究概要

1.焼却処理等の中間処理施設における放射性Cs挙動解明と長期的管理手法
(1)既存施設における放射性Cs及び安定Csの実態調査
(2)放射性Csの熱力学的モデルシミュレーション解析
(3)モデル燃焼試験による検討
2.埋立処分施設における放射性Cs挙動解明と長期的管理手法
(1)東日本における既存処分場の放射性Cs実態調査
(2)既存処分場のボーリング及び電気探査法等による調査
(3)浸出水塩類及び安定セシウムの長期挙動及び事前除塩による埋立負荷低減技術の開発
(4)模擬埋立層によるモデル実験及び長期挙動予測モデルの開発

外部との連携

共同研究機関:京都大学、早稲田大学、福岡大学

関連する研究課題

課題代表者

大迫 政浩

  • 資源循環・廃棄物研究センター
  • センター長
  • 工学博士
  • 工学
portrait

担当者