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環境利用の空間的不均一性に対するヒグマ生息密度推定手法の感度分析・および調査計画支援ツールの構築(平成 25年度)
Sensitivity analysis of a density estimator of brown bear against spatial heterogeneity of habitat use and development of survey support tool

予算区分
MA 委託請負
研究課題コード
1113MA001
開始/終了年度
2011~2013年
キーワード(日本語)
ヒグマ,生息密度推定,階層ベイズモデル
キーワード(英語)
Brown bear, Population density estimation, Hierarchical Bayes model

研究概要

ヒグマは北海道において在来生態系の頂点にあるアンブレラ種である。しかしながら、ヒグマは過去から現在に至るまで、人身への被害や農作物への被害などの人間社会との軋轢が絶えない生物であった。ヒグマは内的な増加率が低く、被害防止と個体群の存続を両立するには個体密度の把握に基づく管理計画の策定が必要となる。近年ではクマの個体群のモニタリング手法としてDNAマーカーによる標識再捕獲法が一般的に用いられるようになってきているが、生息密度を推定するための統計モデルは現在も発展途上にある。近年、標識再捕獲における空間情報を活用して、客観的な有効調査面積推定に基づく生息密度を計算する「空間明示型標識再捕獲モデル」と呼ばれる手法が普及しつつあるが、ハビタット条件の不均一性に対するモデルの頑健性など、モデルの振る舞いについては不明な点が多い。また、このモデルの推定精度は同一個体が複数のトラップでどの程度検出されるかに依存するが、十分な推定精度を得るために最適な調査デザインを直感的に推測することは困難である。
 本研究においては、ヒグマのハビタット不均一性を考慮した空間明示型標識再捕獲モデルを構築し、環境条件の不均一性が生息密度推定に与える影響を評価する。また、ヒグマの生息密度や検出率、行動圏サイズに関する先験的な情報から、任意の調査デザインの元での密度推定実現可能性を評価することが可能となるような「調査計画支援ツール」を構築する。
 なお、本研究の成果は北海道におけるヒグマのモニタリングにかかるガイドライン策定に用いられると共に、渡島半島地域におけるヒグマ保護管理計画改訂の基礎情報となる。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

本研究は、初年度に既存のデータの再解析および調査計画支援ツールの構築を行い、空間明示型標識再捕獲モデルの推定に必要な調査デザインを明らかにする。初年度の評価に基づき、2年目に北海道渡島地域におけるDNAベース標識再捕獲調査を実施する。3年目には2年目に得られたデータを用いて、生息密度の推定および空間利用の不均一性に対する感度分析を実施する。

今年度の研究概要

これまでの調査結果を踏まえ、北海道全体のヒグマ管理計画の策定に向けたモニタリングのあり方について検討する。また、生息密度推定のためのデータ処理を行う上で有用なツールキットを開発し、公開のための作業を行う。

外部との連携

本課題は北海道立総合研究機構および横浜国立大学との共同研究であるが、契約上は北海道立総合研究機構からの委託研究となっている。研究代表者は北海道立総合研究機構の間野勉氏である。

備考

受託事業名は「環境利用情報を活用した遺伝子マーカーによる個体識別を用いたヒグマ生息密度推定法の開発」である。

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

深澤 圭太

  • 生物・生態系環境研究センター
    生物多様性評価・予測研究室
  • 主任研究員
  • 博士(学術)
  • 生物学,地理学,林学
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