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気候変動と洪水リスクの経済分析〜洪水被害額の推計と洪水リスクモデルの構築(平成 24年度)
Economic analysis of flood risk and climate change -- Estimation of flood damage and construction of flood risk model

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1112AQ006
開始/終了年度
2011~2012年
キーワード(日本語)
浸水リスク,ヘドニック・アプローチ,除外変数バイアス
キーワード(英語)
Flood risk, Hedonic approach, Omitted variable bias

研究概要

現在の治水対策は、1級河川で50年に一度、2級河川以下では30〜40年に一度の豪雨に対する安全性を目標に進められてきた。しかし、将来、気候変動によって、洪水の強度・頻度が上昇することが指摘されており、現在の治水対策ではこれまでと同じ安全レベルが確保されなくなると言われている。したがって、将来、気候変動による影響が深刻化した場合に備えて、適応策としての視点を組み入れて、現行の治水対策を見直すことが求められていると言える。
 こうした背景から、本研究は東京都を対象として、(1)気候変動による洪水被害の変化の可能性を定量的に把握し、(2)堤防や下水整備といったハード面の対策だけでなく、土地利用の見直しといった制度による対策の費用と便益を明らかにすることで、(3)温暖化適応策としての視点を組み入れた治水対策を提案する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

◆ 2011年度
 浸水リスクに関する地点情報の収集、地価や土地属性などのデータ整備を行う。収集した情報を用いて、浸水被害額の推計を行う。また、降雨情報や浸水履歴に関する情報収集とデータ整備を行う。

◆ 2012年度
 2011年度の収集したデータに基づいて、洪水リスクモデルの構築を行う。降雨パターンを変化させることで、洪水の将来シミュレーションを行い、推計された洪水被害額を用いて将来の洪水被害額を把握する。

今年度の研究概要

2011年度に構築した洪水リスクモデルについて、将来の降水変化を扱えるように改良する。改良したモデルを用いて、将来の浸水被害区域がどのように変化するかを計算し、期待浸水被害額の変化を示す。ただし、洪水リスクモデルで降水変化を扱えるように改良することは非常に野心的な試みであることから、地点ごとの将来の浸水確率の変化をシナリオとして外生的に与え、期待浸水被害額の変化をみることも同時に行う。

外部との連携

本研究は、上智大学、関西学院大学との共同研究である。

備考

2011年終了予定の課題「地球温暖化適応策(洪水対策)の費用便益分析」から変更。
旧課題コード:0911AE008

課題代表者

岡川 梓

  • 社会システム領域
    経済・政策研究室
  • 主任研究員
  • 博士(経済学)
  • 経済学
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担当者

  • 日引 聡社会システム領域
  • 宮脇 幸治
  • 須賀 伸介