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DOMの光分解特性が生物難分解化に及ぼす影響評価(平成 23年度)
Characterization of the effect to DOM biodegradability by photochemical transformation

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1112CD007
開始/終了年度
2011~2012年
キーワード(日本語)
湖沼,溶存有機物,光分解
キーワード(英語)
Lake, Dissolved organic matter, Photochemical transformation

研究概要

 湖水、流入河川水、流域発生源水などを対象に、そこに含まれる溶存態有機物(DOM)の光分解特性を解析する。特に光分解により特性が変化したDOMは生物難分解性となるのか?或いは易分解性となるのか?等、光分解と生分解の相互関係に重点を置いて研究を進める。応募者は、そうした相互関係はDOMの特性(分子量分布、疎水性物質の割合、立体構造)の相違によって異なると推察している。そのため、光分解によってDOMの特性がどのように変化するのか?についても検討し、生分解性への関与について考察する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

研究目的を達成するために以下の3段階に分けて研究を行う。

(1)光照射条件の設定
(2)及び(3)で行う光分解実験の実験条件を設定するための研究である。装置の設置、最適条件の設定を行う。

(2)湖水、河川水、流域発生源水中DOMの光分解特性の検討
(3)で得られる成果の裏付け、考察の材料を得るための研究である。多様なDOMの光分解特性について情報を収集する。

(3)DOMの光分解と生分解の相互関係の検討
本研究の「最終的な問い」に答えるための研究である。光分解前後のDOMに対し、生分解実験を行い、比較・検証を行う。

今年度の研究概要

本年度では(1)光照射条件の設定及び(2)湖水、河川水、流域発生源水中DOMの光分解特性の検討について作業を進める。

(1)光照射条件の設定
 実際の湖沼で起きるDOMの光分解は太陽光によるものであるため、できる限り太陽光と同質の光照射を行う事ができる光照射装置を用いる必要がある。そこで本研究では太陽光と同様のスペクトルを有するショートアークキセノンランプを使用することとした。既に購入予定の機器を選定した上で実験スペースの確保も行っている。また、光照射による試料の温度上昇を防ぐため赤外線カットフィルターを装着し、光が効率的に試料へ照射されるよう石英容器を用いる予定である。
光照射開始後、ある数十分から数時間おきに試料を採取し、DOMの濃度変化を追う。光分解に伴ってDOM濃度は時間と共に減少すると考えられるが、ある一定の濃度に落ち着いた段階(それ以上、光分解が起きない段階)を最適光照射時間とする。照射時間から積算光量子数を求める事もできるため、霞ヶ浦臨湖実験施設気象等データベースにおける日射量データと比較検討する予定である。

(2)湖水、河川水、流域発生源水中DOMの光分解特性の検討
 霞ヶ浦流域を対象として湖水、河川水、流域発生源水を採取し、実験室へ持ち帰った後、(1)で得られた実験条件で光分解実験を行う。また、DOM中から疎水性物質や高分子/低分子量を有する物質を抽出し、光分解実験を行う。湖水、河川水については研究代表者及び研究協力者が、定期的(月1回)に行っているGEMS/Water霞ヶ浦トレンドモニタリング事業、河川調査で効率的かつ容易に試料採取を行う事ができる。また流域発生源水として、霞ヶ浦流域の下水処理水及び生活雑排水などを想定している。これらの試料採取は研究協力者が過去に経験しているためアドバイス及び支援をいただく予定である。またDOM中から疎水性物質や高分子/低分子量を有する物質の抽出作業は研究代表者が日常的に行っているため、効率的に試料を得る事ができる。
 試料中のDOMは、DOC濃度、紫外部吸光度、分子量分布、蛍光特性、疎水性物質の割合等として測定を行う。特に分子量分布については、炭素量として正確かつ高感度に解析できる手法を開発した研究協力者にアドバイス及び支援をいただく。

関連する研究課題

課題代表者

小松 一弘

  • 地域環境研究センター
    湖沼・河川環境研究室
  • 主任研究員
  • 博士(工学)
  • 工学,土木工学
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