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大気圏環境研究領域における研究活動(平成 21年度)
Research Activities of the Atmospheric Environment Division

研究課題コード
0610FP015
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
気候変動,成層圏オゾン,遠隔計測,炭素循環,大気エアロゾル,大気汚染
キーワード(英語)
CLIMATE CHANGE, STRATOSPHERIC OZONE, REMOTE SENSING, GLOBAL CARBON CYCLE, ATMOSPHERIC AEROSOLS, AIR POLLUTION

研究の性格

  • 主たるもの:-
  • 従たるもの:

全体計画

地球温暖化問題やオゾン層破壊問題、酸性雨問題を含む越境広域大気汚染、更には都市における大気環境問題など、地球規模から局所的な問題までの大気環境に関わる課題について、2つの重点研究プログラム(地球温暖化研究プログラムおよびアジア自然共生研究プログラム)とも連携しつつ、大気環境に関わる個々の物理・化学プロセスの解明とその相互作用の理解に関する基盤的研究を行う。大型実験施設(大気拡散大型風洞や光化学反応チャンバー)などを利用した個々の物理・化学プロセスに関する室内実験、化学的な分析手法や遠隔計測手法を用いた大気の組成や微量物質の濃度・同位体組成さらには大気の性状や運動の時間的・空間的変動の観測、人工衛星データも含めた観測データの解析、大気数値モデルを用いた数値実験、などのアプローチで研究を進める。また新たな大気遠隔計測手法や大気微量物質の計測手法の開発にも取り組む。研究対象の現象としては、大気汚染物質の移流拡散、大気中での微量物質の変質と大気質の変化、除去過程に伴う酸性雨問題等の地域や国をまたいだ汚染物質の輸送、地球規模での物質循環過程、大気構造や汚染物質の大気の放射特性への影響、微物理過程を含む雲・エアロゾル相互作用およびそれらの放射影響、地球規模での気候システムの変化、成層圏オゾン層の変化、が挙げられる。

今年度の研究概要

気候変動・成層圏オゾン層破壊: 引き続き20世紀の気温変動要因分析における炭素性エアロゾルの導入が将来予測の不確実性に及ぼす影響について、気候モデルを用いた数値実験結果を解析する。さらに、統計的手法を用いたマルチモデル解析を行い、気候モデルにおける不確実性伝播を調べる。また温暖化プログラムとも連携してIPCCのAR5に向けた取り組みも進める。オゾン層破壊については、これまでの化学気候モデルを用いた数値実験の結果を基に過去のオゾンホールの年々変動要因の解明を進めると共に、新バージョンの化学気候モデルのチューニングとそれを用いた将来変動予測実験を進める。またオゾン層破壊に関する数値モデルの精緻化−特に極域でのオゾン層破壊の機構解明−を目指し、ILAS-II観測データを用いて極成層圏雲(PSC)と硝酸塩素との関係を定量的に調べる。南極での現地観測結果を基にPSCのタイプ識別や北半球での成層圏オゾンの化学的な破壊量の定量的把握を目指す。
地球規模での物質循環:二酸化炭素観測と相補的な情報を与える酸素濃度の観測とそのデータ解析を継続する。特に地上ステーションおよび船上でのボトルサンプリングおよび最近開発・改良が重ねられた連続観測システムを活用した酸素濃度測定を行う。また、精密分析に必要な標準ガス調整法の開発と同位体比組成の違いの影響の解明にも取り組む。
地域規模の大気環境問題:黄砂観測ライダーネットワークによる連続観測とデータ品質管理およびデータのモデル同化に関する研究を継続する。同時に次世代のネットワーク観測のためのライダーシステムの開発を進め、特に355nmの波長での高スペクトル分解ライダー部分の開発に取り組む。
都市大気汚染:沿道スケールでの複雑街区対応可能な数値モデルの開発を行う。特に大気風洞実験と実測の風速スペクトル解析に基づいた、実用型の拡散モデルの開発とその再現性評価を目指す。沿道での汚染物質分布の実態把握にも応用可能なパーソナルモニタリング手法の開発とその性能評価を継続する。また陽子移動反応−質量分析装置を用いた化学物質の検出の応用として、ディーゼル車からの排気ガス中の汚染物質の検出への取り組みをスタートさせる。

課題代表者

今村 隆史

  • 環境計測研究センター
  • センター長
  • 理学博士
  • 化学
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