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自治体向けクリマアトラス作成方法の開発:長野市における研究をベースに(平成 20年度)
Development for the method of climate analysis map based on the case of Nagano City

予算区分
AH 地環研
研究課題コード
0607AH550
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
クリマアトラス,熱環境改善,山風,長野市,大気汚染
キーワード(英語)
CLIMATE ANALYSIS MAP, THERMAL MITIGATION, MOUNTAIN WIND, NAGANO, AIR POLLUTION

研究概要

近年、都市のヒートアイランド現象が地方の中小都市においても問題視されるようになり、地方自治体においてヒートアイランドの緩和対策が注目を集めている。地方都市におけるヒートアイランド対策は、屋上緑化等の個別対策よりもむしろ、都市計画という行政施策の中に都市の熱環境改善やヒートアイランドの拡大防止などを位置づけることが最善の策と考えられる。このような都市の熱環境改善施策を提案するためには、視覚的な研究成果(地図)が非常に重要となる。都市の熱環境改善案を地図上に表現したクリマアトラス(都市環境気候図あるいは気候分析図)がその役割を果たすと考えられる。しかし、これまで自治体向けのクリマアトラス作成手法に標準的な仕様はなく、その作成方法の開発が大きな課題となっている。そこで、本研究では自治体向けのクリマアトラス作成方法を長野市をベースにして開発することを目的とする。とりわけ、ドイツの内陸都市と類似の地勢を備えた日本の内陸中小都市において、大気汚染と熱環境を複合的に扱ったクリマアトラス作成方法の構築を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:政策研究

全体計画

クリマアトラスの作成には、現地での気象観測データ、衛星計測による熱画像および数値モデルによるシミュレーション結果を併用し、その作成方法を検討する。クリマアトラス作成の事例地には長野市を選定する。長野市ではこれまで都市の熱環境把握の調査が行われており、気象データの蓄積があること、また山風の進入による熱環境改善の可能性が高いためである。具体的には、数値シミュレーションにより得られた山風による熱環境改善効果を、現地での気象観測データおよび衛星計測により得られた熱画像から検証する。次に、検証された数値シミュレーション結果およびその他の大気環境データをベースに、地理情報システムを用いてクリマアトラスを作成する。クリマアトラスの完成度を高めるため、追加の観測や解析等を行い、それらのデータを加えたクリマアトラスの作成と作成方法の標準化を行う。作成されたクリマアトラスは都市の暑熱緩和や大気汚染の改善に有益と考えられる情報を含むため、自然と共生した快適で健康な都市整備計画づくりに役立てることが可能となる。また、ドイツの内陸都市と類似の地勢を備えた日本の内陸中小都市において、大気汚染と熱環境を複合的に扱ったクリマアトラス作成方法の構築を目指し、自然条件および都市構造の相違からくる施策可能性の相違についても議論し、大気汚染と暑熱の両方を問題としている途上国アジアの都市への適用のための検討材料としたい。

今年度の研究概要

都市の大気・熱環境改善を地方自治体の施策とするには、視覚的な研究成果(地図)が重要となる。都市の大気・熱環境改善案を地図上に表現した都市環境気候図(クリマアトラス)がその役割を果たす。我々は長野市において都市の大気・熱環境調査を行ってきており、気象・大気汚染濃度データを蓄積している。最終的に『快適なまちづくり』に活かせるようなクリマアトラスを作成するために、熱環境、大気汚染の現状把握を行う。熱環境の把握においては、現実の都市環境下における快適・不快を表す温熱環境の基礎情報(マップ)を提供する(現状把握する)必要がある。そこで本年度は都市域における温熱環境の分布図を作成することを目的として、長野市において気温、湿度、風、放射などの気象要素の観測を行なう。各気象要素の分布図、それらの要素を用いた温熱環境指標(たとえば、WBGTやSET*など)の計算を行い、それらの分布図作成を試みる。一方、大気汚染の把握については、長野市に夜間出現する山風に注目し、山風により都市ヒートアイランドが緩和されることが期待できるとともに、大気汚染物質の拡散にも有効ではないかと考える。山風の出現日数には季節的な変化があり、出現日数のピークがみられる7月から10月に24時間の長期連続観測が可能なプロジェクター光源を利用したDOAS法による大気汚染物質濃度観測を山風の鉛直観測と同期させて行い、実際に長野市の大気汚染や暑熱の緩和に有益と考えられる事例を抽出する。

備考

研究代表者:浜田崇(長野県環境保全研究所)平成15〜平成17年度(2003〜2005年度)文科-科研費として関連課題を実施。2002年度までと2006年度以降は地方環境研との共同研究として実施。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

一ノ瀬 俊明

  • 社会環境システム研究センター
    地域環境影響評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士 (工学) (東京大学)(都市工学専攻論文博士)
  • 土木工学,地理学
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担当者

  • 松本 太
  • 原田 一平