- 予算区分
- AF 奨励
- 研究課題コード
- 0606AF486
- 開始/終了年度
- 2006~2006年
- キーワード(日本語)
- 化学形態別分析,霞ヶ浦,懸濁物質,固体核磁気共鳴装置,無機態リン
- キーワード(英語)
- SPECIATION, LAKE KASUMIGAURA, SUSPENSION SOLID, SOLID STATE NMR, INORGANIC PHOSPHORUS
研究概要
霞ヶ浦湖水中における全リン濃度増加の原因解明に資することを目的として,懸濁態無機リンの化学形態を明らかにする。土壌や水系の底質に対して従来用いられてきた無機リンの逐次抽出法では,分析の精度や供試量の点で困難が予想されるため,新しい分析方法の確立が必要である。本研究ではこの問題を解決するために固体NMR法の応用を試み,霞ヶ浦におけるリンの動態の一端を明らかにする。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
1) 試料の採取および調製
懸濁物質(SS)試料は恋瀬川河口(高浜入,全域調査St.1),花室川河口(土浦入,同St.6)および西浦湖心(同St.9)の表層水より季節ごとに採取する。各地点における表層水の採取は全域調査時に行い,40L / 回を計画している。
表層水採取後,速やかに連続高速遠心装置を用いてSSを回収し,凍結乾燥により粉末試料を調製する。
2) 31P-NMRを用いた懸濁態リンのスペシエーション
JEOL製核磁気共鳴装置JMN ECA-500(国環研共通機器)を利用して,31P-NMRの測定を行う。31Pは天然存在比100%の核種であり,核スピン( I )=1/2であるため原理的に高分解能スペクトルが得られる。
得られたスペクトルとデータベースを照合し,未知の場合は各種標品に対して31P-NMR測定を行う。また,赤外線分光法やX線回折法,選択溶解法や吸着実験などを併用することで懸濁態リンの化学形態を解析する。
今年度の研究概要
霞ヶ浦における懸濁態無機リンの化学形態別分析(スペシエーション)法を新たに確立した上で,地点間差ならびに季節間差を明らかにする。また,得られた結果を解析することにより,現在の霞ヶ浦におけるリンの動態の一部を明らかにする。
- 関連する研究課題
- 0 : 環境リスク研究センターにおける研究活動
課題代表者
宇田川 弘勝
担当者
-
高村 典子