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生体内におけるヒ素の酸化還元と解毒機構(平成 18年度)
Redox and detoxication mechanism of arsenic in in vivo.

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0606AF499
開始/終了年度
2006~2006年
キーワード(日本語)
ヒ素,代謝,解毒
キーワード(英語)
ARSENIC, METABOLISM, DETOXIFICATION

研究概要

途上国最大の環境問題のひとつにもなっている無機ヒ素化合物は、発癌も含む多臓器疾患を起こすことが知られている毒物である。ヒ素はその化学形によって毒性が大きく異なることは知られているが、毒性の本質は未だに不明のままである。本研究は、ヒ素の代謝と体内動態を分析毒性学的手法を用いて明らかにし、環境汚染物質であるヒ素の毒性発現機構および解毒機構をヒ素の酸化還元という観点から解明することを目的としている。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

以前、ヒ素−グルタチオン (As-GSH) 抱合体が胆汁中で3価ヒ素化合物へと加水分解され、さらに5価へと酸化されることを明らかにした。このことから、3価ヒ素化合物の酸化がヒ素の解毒に関与していると推定し、以下の計画を立てた。
1)胆汁、血清、尿中の過酸化水素の測定
ラットに0.2 mg As/kgまたは2.0 mg As/kgの亜ヒ酸を投与した後、胆汁、血清、尿を採取し試料中の過酸化水素濃度を測定する。また、総ヒ素濃度およびヒ素の形態分析、GSH濃度の測定もあわせて行う。
2)胆汁中におけるAs-GSH抱合体の酸化機構の解明
無処理のラットから採取した胆汁と熱処理、カタラーゼ処理、透析を行った後の胆汁を用いてAs-GSH抱合体の安定性を比較する。
3)ヒ素酸化酵素の推定
ヒ素の酸化に関与する酵素は既知の酵素である可能性が高いため、可能性のある酵素のヒ素酸化能の比較や、酵素の阻害剤で処理したラットに1)と同様の実験を行い比較すると共に、肝毒性および腎毒性の有無も調べる。
以上の研究を実施することにより、ヒ素の解毒に関与する因子および酵素を推定し、解毒機構を明らかにする。

今年度の研究概要

ヒ素はその化学形により、細胞内への取り込み、排泄、毒性などが大きく異なるが、ヒ素の代謝に関しては未だ不明な点が多く残されている。当該研究は、ヒ素の酸化がヒ素の解毒に関与していると推定し、ヒ素の解毒機構を明らかにすることを目的としている。得られた成果は、ヒ素研究において学術的貢献ばかりでなく、環境汚染物質であるヒ素の毒性を軽減するための重要な情報を与えることにより、社会的貢献も期待される。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(環境健康研究領域)

課題代表者

小林 弥生

  • 環境リスク・健康研究センター
    曝露動態研究室
  • 主任研究員
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
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担当者