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有害藻類発生湖沼の有機物,栄養塩類,生物群集の動態解析と修復効果の評価に関する研究 (平成 13年度)
The research about the analysis of water ecosystem and the evaluation of the restoration effect based on the organic and nutrient salts in lakes and marshes

予算区分
BC 環境-公害一括
研究課題コード
0002BC231
開始/終了年度
2000~2002年
キーワード(日本語)
栄養塩類, 溶存有機物, 生態系相互作用, 生分解機構
キーワード(英語)
NUTRIENT SALTS, DISSOLVED ORGANIC MATTER, ECOSYSTEM INTERACTION, BIOLOGICAL DECOMPOSITION

研究概要

水環境修復が強く要望されている富栄養化湖沼における水質悪化の原因は,微細藻類ミクロキスチス属,糸状藍藻類オシラトリア属,フォルミジウム属等の異常な増殖によるものであるといわれている。これらのいわゆるアオコの増殖要因および有機物濃度の上昇要因は発生源からの流入負荷,底泥からの溶出負荷等に由来する有機物,栄養塩類としての窒素,リン等が重要な要因としてあげられ,これらの要因が密接に関連して湖内生態系の群集構造の変化,すなわち不健全な生態系へ変遷するのか健全生態系への修復するのか鍵となることが指摘されている。しかしながら,そのメカニズムについては現在のところ解明されておらず,富栄養化制限因子,湖沼環境基準評価因子等と湖内生態系構成生物の群集構造変遷との関係を明らかにすることが必要不可欠と考えられている。また、WHO(世界保健機関)において富栄養化湖沼で発生する有害藻類の産生する毒性物質ミクロキスチンに対し,1μg/Lという飲料水質ガイドラインが設定されたことからも毒性物質に着目した藻類の増殖抑制と分解機構に関する研究を推進する必要がある。
これらの湖沼の不健全な生態系への変遷をくい止め,かつ修復していく上では,湖内における溶存有機物の分画パターンと流入汚水の溶存有機物の分画パターンとの相違性,窒素,リン濃度,生物群集構造等と発生源等からの負荷削減効果との比較解析が極めて重要と考えられる。本研究では上記の点を鑑み,健全な湖沼生態系への修復を目的に位置付け,有害藻類発生湖沼の有機物,栄養塩類,生物群集の動態解析と修復効果の評価に関する研究を推進することとする。

全体計画

12年度 有害藻類発生湖沼およびその流入水域において含有される有機物の疎水性−親水性,酸性−塩基性,易−難分解性に基づき樹脂吸着分画手法を適用し,各画分の湖水での実態および動態を解明し,その物理,化学,生物学的な除去の有効性に関して比較検討を行う。また有害藻類が生産するミクロキスチンに着目し,湖沼水域での動態調査を行うと共にその分解に関与する生物種の探索を行う。
13年度 有毒物質やカビ臭物質を産生するオシラトリア属,フォルミジウム属の水温条件,他の藻類との相互作用における競争条件下の増殖特性を解析すると同時に微小動物の捕食分解機構解明による増殖抑制機構等について湖沼シミュレーターモデルを構築し検討を行う。また前年度の研究成果から得られた湖沼および流域に含有される有機物の特性を踏まえ,物理化学的手法と生物学的手法による処理の有効性と実用性について検討を行う。
14年度 前年度までの研究結果から得られた知見を用いて有害藻類発生湖沼の修復技術の提案とその効果について総合的に評価する。

今年度の研究概要

湖沼における有機物や有害藻類,有害物質の調査を継続するとともに,これらの水域での分解機構の解明および処理対策の検討を行う。特に有毒物質ミクロキスチンに着目し,微小動物による有害藻類の捕食分解に伴うミクロキスチンの分解メカニズムの解明を行い,有害藻類低減化手法の基礎知見の収集を行う。さらに糸状性藻類とMicrocystis sp.の競争関係について湖沼モデルシミュレーターを用いて解析を行い,湖沼での糸状性藻類の優占化機構について把握する。
さらに,前年度の研究成果により性質が明らかにされた湖沼汚濁原因有機物に対する分解処理システムの構築を行う。特に難分解性である点に着目し生物処理にUV,オゾン処理等の物理化学処理を併用したハイブリッド処理システムの構築と処理特性の評価を行う。

課題代表者

稲森 悠平

担当者