温室効果ガスを船の上で捉える?
二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの分布や人間活動による排出量を正確に把握することは、地球環境の将来予測や排出削減対策の評価のために不可欠です。
国立環境研究所は、海運会社の協力を得て、国際的な航海を行う貨物船に観測機器を搭載することにより、二酸化炭素とメタンの広域観測に取り組んでいます。
観測の結果、東南アジアの外洋域でしばしば観測されたメタンの濃度増加が、洋上の油井・ガス井からの排出に起因していることを特定し、その年間排出量が東南アジア全体の人為的な発生量の0.2%を占めていることを推算しました。 その他、インドネシアの大規模森林・泥炭火災による影響を捉えるなど、船を使用した大気観測はさまざまな成果を生んでいます。
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