地球温暖化で海藻が減る?
サンゴや海藻は浅い海の生態系を構成する主要な生物群ですが、海水温の上昇によって分布が変化しつつあります。
海藻が優占していた温帯の海がサンゴの多い熱帯の海へと変化する「海の熱帯化」が世界各地で報告されています。
国環研が行ったサンゴと海藻の分布変化に関しての文献調査とシミュレーションモデルによる研究の結果、海藻からサンゴへの置き換わりは海水温の上昇だけでなく、暖かい海流やそれに乗って移動した魚類が海藻を食べ尽くすといった要因が複合的に作用していることがわかりました。海藻やサンゴを保全するには、海水温の上昇への対策だけでなく、海流や他の生物との関係も考慮する必要があることを示しています。
Photograph by Naoki Kumagai/NIES
海洋沿岸域の熱帯化
2024/03/25