報道発表(2026年度)
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東アジアの黄砂(砂じん嵐)は主に春に発生し、冬の飛来は非常に稀でした。しかし、2022年12月には日本で10年ぶりとなる「冬の黄砂」が観測されました。これまで、冬の大規模な黄砂がどのような要因で引き起こされるのか、詳細なメカニズムは未解明でした。
九州大学応用力学研究所(原 由香里助教)と国立環境研究所地球システム領域(神 慶孝主任研究員)の研究グループは、ダスト予測モデルや各種観測データおよび大気再解析データを統合した解析を行いました。その結果、2022年12月の黄砂は、発生源であるゴビ砂漠の積雪が少なかったことと、温帯低気圧に伴う強風が引き起こしたことを明らかにしました。 -
大阪大谷大学の内井喜美子准教授および脇村圭助教、ならびに国立環境研究所 松崎慎一郎室長、長野県諏訪湖環境研究センター 北野聡部長、筑波大学 津田吉晃准教授、水産研究・教育機構 坪井潤一主任研究員、愛媛大学 畑啓生教授、松山大学 槻木玲美教授、北海道大学 荒木仁志教授らからなる研究チームは、日本に定着したブラックバス3種の遺伝的なタイプ(ハプロタイプ※1)を網羅的に検出する分析手法を開発し、東北地方から中国・四国地方にわたる31都府県の湖沼・河川で、水に含まれる生物由来のDNAを検出・解析する環境DNA調査※2を実施しました。
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国立環境研究所資源循環領域の山本悠久特別研究員らの研究チームは、自宅等に設置された太陽光パネルの排出時における、各世帯がリユースやリサイクルを自ら選択する意向の強さや、その要因についてウェブアンケートを用いて調査・分析しました。その結果、リユースやリサイクルを行う意向が強い世帯は全体の40%に満たず、リユースやリサイクルを実施する可能性が高い世帯になると、全体の2-12%にとどまる可能性が明らかになりました。
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国立環境研究所は、環境に関するさまざまな研究成果を広く社会にお伝えするため、1998年6月から毎年「公開シンポジウム」を開催しています。 今年は7月20日(月・祝)、昨年度と同様に対面形式で開催し、研究現場の“生の声”を直接お届けします(参加無料・事前登録制)。
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国立環境研究所の研究チームは、野生山菜であるコシアブラの新芽において、放射性セシウム濃度が高くなる原因を明らかにしました。本研究ではまず、コシアブラの若木が浅い土壌層に根を張り、この層に多く蓄積している放射性セシウムを養分とともに吸収しやすいことを示しました。
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北海道大学大学院農学研究院の加藤知道教授と同大学北方生物圏フィールド科学センター中路達郎教授、東京大学大学院農学生命科学研究科、国立環境研究所生物多様性領域の林 真智特別研究員らの研究グループは、北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林の天然広葉樹が優占する森林約2,516 haを対象に、2004年の台風かく乱後の森林バイオマス回復を、多時期の航空機レーザ測量*1及びUAV(無人航空機)レーザ測量と現地調査を統合して18年間(2004–2022年)追跡し、その時空間動態を高解像度(2m)で定量化しました。
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国立環境研究所 気候変動適応センターでは、気候変動による影響への適応策(以下、適応策)の取組を支援するため、「影響の要因⇒現在の状況と将来予測⇒適応策」の関係性を示し、さらに適応策を体系的に整理した32項目のインフォグラフィックを2021年8月に公開しました。その後、新規項目の追加等も行ってきました。
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ハチジョウノコギリクワガタは、日本に生息するノコギリクワガタ属で唯一飛べないクワガタです。その飛翔能力消失の要因を近縁種との比較から検証しました。その結果、飛翔筋の萎縮が直接的な要因であり、地上歩行への依存が高まったことで、飛翔への進化的選択圧が弱まった可能性を見いだしました。
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長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科のマダニヤズ・リナ准教授を中心に、東京大学、国立環境研究所、自治医科大学、北海道大学、韓国および台湾の連携機関との共同研究チームは、川崎病と屋外の環境との関連に関する世界の疫学研究をスコーピングレビュー(既存研究を幅広く整理して全体像や研究課題を示すレビュー)により整理しました。
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放射性炭素同位体分析を用いた新たな培養実験の手法を提案し、水圏堆積物中で分解される有機炭素の起源特定に成功しました。
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国立環境研究所エコチル調査コアセンターのスワンナリン・ニーラヌッチ特別研究員、中山祥嗣次長らは、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の対象者のうち80,669組の母子のデータを用いて、生まれてくる子どもの体重(出生体重)に影響をおよぼさない妊婦の血中カドミウム濃度を検討しました。
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高知大学・日本大学・東京大学大気海洋研究所・国立環境研究所の合同研究チームは、津波が干潟生物に与えた長期的な影響について調べた結果、貝類・甲殻類・多毛類などの底生生物は、津波により甚大な被害を受け、津波前の状態にまで回復するのに10年近くの歳月を要したことが分かりました。
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国立環境研究所気候変動適応センターは、私たち一人ひとりが気候変動にそなえ、快適に暮らせるよう、2025年6月に「#適応しよう」キャンペーンを開始しました。